北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が極秘の中朝首脳会談で新しいカードを取り出した。北朝鮮非核化の段階的接近案だ。南北首脳会談および米朝首脳会談を控え、ひとまず北朝鮮の交渉力を引き上げたのだ。しかし北核問題がさらに複雑になる様相だ。それでも中国カードは通用するのだろうか。北朝鮮の非核化に向けた首脳会談まで1カ月も残っていないが、韓国政府の解決法は五里霧中だ。中央日報軍事安保研究所が世宗(セジョン)研究所と緊急座談会を開き、事態を展望した。
◆北朝鮮の段階的非核化と誠意
北朝鮮の金正恩委員長と中国の習近平主席が首脳会談で合意した段階的かつ漸進的な北朝鮮の非核化は韓米の考えとは違う。北朝鮮の段階的接近法については、交渉の過程を薄く切って時間を稼ぐ「サラミ戦術」と見ている。米国は過去のジュネーブ合意や6カ国協議の2・13合意などで北朝鮮のサラミ戦術をすでに経験した。その結果、北朝鮮の非核化は2回も失敗した。こうした北朝鮮の戦術に対し、米国は非核化に誠意がないと判断する可能性がある。国立外交院の申範澈(シン・ボムチョル)教授は「北が大陸間弾道ミサイル(ICBM)をなくし、後に完全な非核化をするというのは納得できる」とし「しかし時間を長引かせたり非核化措置を取らなければ強い制裁に戻る可能性がある」と述べた。世宗研の鄭成長(チョン・ソンジャン)統一戦略研究室長は「過去には非核化の時点が決められなかったが、今はトランプ大統領の任期が終わる2020年末までに完了しなければいけないようだ」と話した。韓国も韓半島(朝鮮半島)新経済地図構想を実践に移すには文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期内に北核が廃棄されなければいけない。金正恩委員長も経済制裁を2年以上乗り越えるのは難しいという。このように2020年は3者が北核問題の解消、米朝関係の正常化、平和協定などの交換を早期に解決するという利害が一致する時点ということだ。韓東大学のキム・ジュンヒョン教授は「北が最もストレスを受ける要因は交渉中に韓国・米国大統領の任期が変わること」とし「北核廃棄期間を韓国・米国大統領の任期内に決めれば一度にCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄)を推進することができる」と展望した。こうした点で米国は中朝両国が合意したように遅々として進まない核交渉は容認しないというのが全体的な意見だった。
◆最大限の圧力のため米国は「戦時内閣」
トランプ大統領が内閣に強硬派を配置したのは北朝鮮に最大限の圧力を加えるための交渉戦略だ。トランプ大統領は新しい大統領補佐官(国家安全保障問題担当)にタカ派の非核化専門家ジョン・ボルトン元国連大使を、国務長官にはマイク・ポンペオ中央情報局長(CIA)長官を指名した。2人はヘイリー国連大使、ムニューチン財務長官と北核交渉の行動隊長として立つ。ニューヨークタイムズはこれを「戦時内閣」と表現した。申範澈教授は「米国は北が首脳会談場に出てくるまで最大限の圧力を加えながら、北が自ら譲歩できる最大値を持ってこいという計算」と分析した。キム・ジュンヒョン教授は「トランプ大統領は対北制裁がひとまず成功し、自身の戦略が勝ったと考えている」とし「マクマスター大統領補佐官の解任の理由も、急ぐトランプ大統領を自制させようとして発生したと理解している」と述べた。こうした米国の強硬な態度に北朝鮮は中国を通じて勢力の均衡を図ったという解釈だ。
◆南北→米朝→南北首脳会談
キム・ジュンヒョン教授は「南北首脳会談は米朝首脳会談の予備会談という性格が強い」とし「南北会談が米朝会談のステップにならなければいけない」と述べた。したがって南北首脳会談では非核化に包括的に合意するものの、「非核化」という言葉は必ず入れるべきだと、申範澈教授は指摘した。特に「北の意志を確認するために南北首脳会談の直後、両首脳の共同記者会見も重要だ」と陳昌洙(チン・チャンス)世宗研究所長は話した。続く米朝首脳会談では具体的なコンテンツが発表されるべきだという。キム・ジュンヒョン教授は「米朝首脳会談が終われば後続措置のために文大統領が早ければ8月または10月に平壌(ピョンヤン)に行くことも可能」とし「北核検証問題が省略されることはないだろうが、非常に速いペースで進行すると考える」と予想した。しかし北朝鮮が中国を前に出して遅延させる場合、米国は対北朝鮮制裁と対中国貿易報復の強度をさらに高める可能性がある。
「対北制裁が効果…トランプ大統領の任期内に北核廃棄を」(2)
◆北朝鮮の段階的非核化と誠意
北朝鮮の金正恩委員長と中国の習近平主席が首脳会談で合意した段階的かつ漸進的な北朝鮮の非核化は韓米の考えとは違う。北朝鮮の段階的接近法については、交渉の過程を薄く切って時間を稼ぐ「サラミ戦術」と見ている。米国は過去のジュネーブ合意や6カ国協議の2・13合意などで北朝鮮のサラミ戦術をすでに経験した。その結果、北朝鮮の非核化は2回も失敗した。こうした北朝鮮の戦術に対し、米国は非核化に誠意がないと判断する可能性がある。国立外交院の申範澈(シン・ボムチョル)教授は「北が大陸間弾道ミサイル(ICBM)をなくし、後に完全な非核化をするというのは納得できる」とし「しかし時間を長引かせたり非核化措置を取らなければ強い制裁に戻る可能性がある」と述べた。世宗研の鄭成長(チョン・ソンジャン)統一戦略研究室長は「過去には非核化の時点が決められなかったが、今はトランプ大統領の任期が終わる2020年末までに完了しなければいけないようだ」と話した。韓国も韓半島(朝鮮半島)新経済地図構想を実践に移すには文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期内に北核が廃棄されなければいけない。金正恩委員長も経済制裁を2年以上乗り越えるのは難しいという。このように2020年は3者が北核問題の解消、米朝関係の正常化、平和協定などの交換を早期に解決するという利害が一致する時点ということだ。韓東大学のキム・ジュンヒョン教授は「北が最もストレスを受ける要因は交渉中に韓国・米国大統領の任期が変わること」とし「北核廃棄期間を韓国・米国大統領の任期内に決めれば一度にCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄)を推進することができる」と展望した。こうした点で米国は中朝両国が合意したように遅々として進まない核交渉は容認しないというのが全体的な意見だった。
◆最大限の圧力のため米国は「戦時内閣」
トランプ大統領が内閣に強硬派を配置したのは北朝鮮に最大限の圧力を加えるための交渉戦略だ。トランプ大統領は新しい大統領補佐官(国家安全保障問題担当)にタカ派の非核化専門家ジョン・ボルトン元国連大使を、国務長官にはマイク・ポンペオ中央情報局長(CIA)長官を指名した。2人はヘイリー国連大使、ムニューチン財務長官と北核交渉の行動隊長として立つ。ニューヨークタイムズはこれを「戦時内閣」と表現した。申範澈教授は「米国は北が首脳会談場に出てくるまで最大限の圧力を加えながら、北が自ら譲歩できる最大値を持ってこいという計算」と分析した。キム・ジュンヒョン教授は「トランプ大統領は対北制裁がひとまず成功し、自身の戦略が勝ったと考えている」とし「マクマスター大統領補佐官の解任の理由も、急ぐトランプ大統領を自制させようとして発生したと理解している」と述べた。こうした米国の強硬な態度に北朝鮮は中国を通じて勢力の均衡を図ったという解釈だ。
◆南北→米朝→南北首脳会談
キム・ジュンヒョン教授は「南北首脳会談は米朝首脳会談の予備会談という性格が強い」とし「南北会談が米朝会談のステップにならなければいけない」と述べた。したがって南北首脳会談では非核化に包括的に合意するものの、「非核化」という言葉は必ず入れるべきだと、申範澈教授は指摘した。特に「北の意志を確認するために南北首脳会談の直後、両首脳の共同記者会見も重要だ」と陳昌洙(チン・チャンス)世宗研究所長は話した。続く米朝首脳会談では具体的なコンテンツが発表されるべきだという。キム・ジュンヒョン教授は「米朝首脳会談が終われば後続措置のために文大統領が早ければ8月または10月に平壌(ピョンヤン)に行くことも可能」とし「北核検証問題が省略されることはないだろうが、非常に速いペースで進行すると考える」と予想した。しかし北朝鮮が中国を前に出して遅延させる場合、米国は対北朝鮮制裁と対中国貿易報復の強度をさらに高める可能性がある。
「対北制裁が効果…トランプ大統領の任期内に北核廃棄を」(2)
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