釜山松島海水浴場近くに設置された海上ロープウェー。海上の1.62キロメートル区間を往復する。昨年6月に開通し2月末までに113万人が利用した。
海上ロープウェー時代の序幕を開いたのは統営の閑麗水道眺望ロープウェーだ。2008年4月に運行を始めたロープウェーは2016年4月に搭乗客1000万人を超えた。昨年は140万人が訪れた。統営市が26日に明らかにしたところによると、2月までの累積利用客は1160万人を記録している。
統営市がロープウェー建設に費やした金額は合計173億ウォンだ。開通から2015年末まで年間11億~34億ウォンの純利益(利用料1人当たり1万1000ウォン台)を上げ2015年末に元金を回収した。統営市はロープウェーの間接経済効果を年間1500億ウォンと推定する。統営市などがロープウェー利用客を対象に調査した結果、利用客1人当たり10万~15万ウォン程度を統営地域で使うものと把握した。ロープウェー利用料、宿泊費、交通費などを含んだ金額だ。これを根拠に年間130万人が平均12万ウォンを使えば1560億ウォンとなる。
統営に続き成功神話を引き継いだのは2014年と昨年6月にそれぞれ開業した麗水(ヨス)海上ロープウェーと釜山(プサン)・松島(ソンド)海上ロープウェーだ。2014年12月に運行を始めた麗水ロープウェー(紫山公園~石山公園間1.5キロメートル)は先月末基準で累積利用客640万人を記録した。1年に200万人ほどの利用料金(1万~2万ウォン台)収益だけで200億ウォンほどを上げる。このロープウェーは民間事業者が360億ウォンをかけて建設した。
昨年6月に開業した釜山松島海上ロープウェー(松林公園~岩南公園間1.62キロメートル)は運行から8カ月の今年2月末までに113万人が利用する人気を得ている。現在まで利用料(1万3000ウォン)などの売上額も146億ウォン台を記録し年間200億ウォン台の売り上げが期待される。ロープウェーができてから夏季に平均600万~700万人台にとどまった松島海水浴場の訪問客は昨年1000万人を超えた。海水浴場周辺商圏と不動産景気も回復した。松島観光繁栄会のキム・サンリョン事務局長は「ロープウェー開通後は冬にも観光客の訪問が続き、不動産も海岸に近い商店街の場合3~4倍高くなった」と話す。
他の自治体も先を争って海上ロープウェー設置に乗り出した。昨年9月に東海岸で初めての海上ロープウェーである江原道(カンウォンド)・三陟(サムチョク)の海上ロープウェー(874メートル)が運営を開始した。慶尚南道泗川市勒島洞(サチョンシ・ヌクトドン)の草養島(チョヤンド)ロープウェー(2.43キロメートル)は来月13日の開通を控え試運転中だ。全羅南道木浦市(チョンラナムド・モクポシ)は儒達山(ユダルサン)と多島海(タドヘ)を結ぶ3.23キロメートルの木浦海上ロープウェーを9月に開通する。このほかにも慶尚南道巨済市(コジェシ)と河東郡(ハドングン)、全羅南道海南郡(ヘナムグン)と珍道郡(チンドグン)、慶尚北道浦項市(キョンサンブクド・ポハンシ)、仁川市江華島(インチョンシ・カンファド)、京畿道華城(キョンギド・ファソン)、忠清南道泰安(チュンチョンナムド・テアン)なども海上ロープウェー建設計画を推進中だ。
乱立を懸念する声も出ている。特に中小都市に海上ロープウェーが無分別に作られれば経済的効果どころか頭痛の種に転落しかねないという指摘だ。尚志(サンジ)大学観光学部のチョ・ウ教授は「統営と釜山はしっかりと整った観光インフラ、麗水は梧桐島(オドンド)など国民に人気の観光地に海上ロープウェーが設置され成功を収めたもの。数百億ウォンがかかる海上ロープウェーはその後の管理にも多くの資金が必要なだけに観光競争力がない自治体が無分別に誘致すれば財政に大きな負担となる恐れがある」と指摘している。
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