「講演料はいくらだったか」「参加者は動員されたのか」
文部科学省に前川喜平前文部科学事務次官に対する裏調査を依頼した政治家が自民党の赤池誠章、池田佳隆議員だったことが20日、分かった。先月、名古屋のある市立中学校で前川氏が講演をしたことに対して「事実照会」を求めたもの。
文科省が名古屋市教育委員会に送った質問紙には前川氏が文部省の天下り問題で引責辞任し、「出会い系バー」を出入りしたという報道を言及し、「彼を講演に呼んだ経緯を具体的で詳細に説明してほしい」という「追及」に近い内容が盛り込まれた。
前川氏は安倍首相の友人が理事長を務めるに加計学園を特別優遇したという「加計学園スキャンダル」を提起した人物だ。退職後にも公に安倍政権を批判して政権にとっては「邪魔者」だったわけだ。
問題の池田、赤池議員は安倍首相を輩出した自民党最大の派閥である細田派だ。赤池議員は保守政治人の登竜門である松下政経塾出身で、第2次安倍内閣で文部科学省政務官を務めた。池田議員も日本青年会議所(JC)の会長を経て政界に入門し「教育は日本人が長い間育ててきた道徳的価値観を学ぶこと」というなど、安倍政権の政治色に合わせた人物だ。
この議員らは文科省が質問紙を作成する時に関与した情況も明らかになった。文科省は市教育委員会に送る質問15項目を作成した後、池田議員に意見を聴取して質問紙を修正した。「謝礼金の金額はいくらだったのか」「(講演参加者関連)動員した事実があるのか」などの質問が追加された。「天下り問題で辞職した」という言及もこの時追加された。
この経緯を明らかにした文科省の対応も釈然としない。文科省は15日、市教委に対する調査が行われたというメディアの報道があってからも自民党議員の要請があったという事実は隠してきた。講演に対して「新聞を見て分かった」として、その後には「外部から問い合わせがあって分かった」と立場を変えた。
林芳正文科大臣は20日になってから「議員の照会要請があった」と認めつつも「事実確認が必要だと判断したのは文科省」と話した。質問紙を政治家に送って修正したことに対しても「あくまでも文科省の主体的な判断によるもの」として官僚らに責任を転嫁する雰囲気だ。
今回の事件で官僚社会が政治権力に徹底して支配されているのではないかという批判の声が出ている。森友学園をめぐる疑惑に関連して財務省が大量に文書を改ざんしたことを当時担当局長の逸脱に追い込むことに続き、今回の事件も文科省の自主的な判断だと一線を画しているためだ。
官界では官僚だけが追及されるのではないかとの不満の声も出ている。文科省のある幹部は毎日新聞に「質問項目を議員に聞いた通りに修正したが、影響がないと言い逃れるのか」と話した。もう一人の官僚は「唯唯諾諾として従う政治家たちの要請を受け入れる印象だ。官僚の誇りはどこに行ったのか」と話した。
野党は合同ヒアリングで「政界の不当な介入をなぜ防ぐことができなかったのか」として批判した。希望の党の玉木雄一郎代表は「教育の公平公正な執行と教育内容を歪めている。決して許すことはできない」と批判した。
文部科学省に前川喜平前文部科学事務次官に対する裏調査を依頼した政治家が自民党の赤池誠章、池田佳隆議員だったことが20日、分かった。先月、名古屋のある市立中学校で前川氏が講演をしたことに対して「事実照会」を求めたもの。
文科省が名古屋市教育委員会に送った質問紙には前川氏が文部省の天下り問題で引責辞任し、「出会い系バー」を出入りしたという報道を言及し、「彼を講演に呼んだ経緯を具体的で詳細に説明してほしい」という「追及」に近い内容が盛り込まれた。
前川氏は安倍首相の友人が理事長を務めるに加計学園を特別優遇したという「加計学園スキャンダル」を提起した人物だ。退職後にも公に安倍政権を批判して政権にとっては「邪魔者」だったわけだ。
問題の池田、赤池議員は安倍首相を輩出した自民党最大の派閥である細田派だ。赤池議員は保守政治人の登竜門である松下政経塾出身で、第2次安倍内閣で文部科学省政務官を務めた。池田議員も日本青年会議所(JC)の会長を経て政界に入門し「教育は日本人が長い間育ててきた道徳的価値観を学ぶこと」というなど、安倍政権の政治色に合わせた人物だ。
この議員らは文科省が質問紙を作成する時に関与した情況も明らかになった。文科省は市教育委員会に送る質問15項目を作成した後、池田議員に意見を聴取して質問紙を修正した。「謝礼金の金額はいくらだったのか」「(講演参加者関連)動員した事実があるのか」などの質問が追加された。「天下り問題で辞職した」という言及もこの時追加された。
この経緯を明らかにした文科省の対応も釈然としない。文科省は15日、市教委に対する調査が行われたというメディアの報道があってからも自民党議員の要請があったという事実は隠してきた。講演に対して「新聞を見て分かった」として、その後には「外部から問い合わせがあって分かった」と立場を変えた。
林芳正文科大臣は20日になってから「議員の照会要請があった」と認めつつも「事実確認が必要だと判断したのは文科省」と話した。質問紙を政治家に送って修正したことに対しても「あくまでも文科省の主体的な判断によるもの」として官僚らに責任を転嫁する雰囲気だ。
今回の事件で官僚社会が政治権力に徹底して支配されているのではないかという批判の声が出ている。森友学園をめぐる疑惑に関連して財務省が大量に文書を改ざんしたことを当時担当局長の逸脱に追い込むことに続き、今回の事件も文科省の自主的な判断だと一線を画しているためだ。
官界では官僚だけが追及されるのではないかとの不満の声も出ている。文科省のある幹部は毎日新聞に「質問項目を議員に聞いた通りに修正したが、影響がないと言い逃れるのか」と話した。もう一人の官僚は「唯唯諾諾として従う政治家たちの要請を受け入れる印象だ。官僚の誇りはどこに行ったのか」と話した。
野党は合同ヒアリングで「政界の不当な介入をなぜ防ぐことができなかったのか」として批判した。希望の党の玉木雄一郎代表は「教育の公平公正な執行と教育内容を歪めている。決して許すことはできない」と批判した。
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