「1930年代と似た流れだ」
通商スペシャリストである光云(クァンウン)大学国際通商学部のシム・サンリョル教授は最近のトランプ発貿易戦争の可能性に対しこのように評価した。シム教授だけでない。海外の専門家も似た診断を出している。「米国の関税爆弾→貿易相手国の報復関税賦課→国際貿易と世界経済の急激な萎縮」という一連の流れにつながりかねないということだ。そこで「大恐慌の前兆」という話まで出ている。
ノーベル経済学賞受賞者であるイェール大学のロバート・シラー教授はこのほどCNBCの番組に出演し、「トランプ政権の鉄鋼関税賦課は貿易戦争へ進む最初の銃声。トランプ政権は他の製品にも関税を賦課しようとするだろう。これは大恐慌当時に発生したこと」と話した。
トランプ米大統領は8日に輸入鉄鋼製品に高率の関税を課す行政命令に署名しグローバル貿易戦争の引き金を引いた。各国は直ちに「報復」を予告した。実行も速い。欧州連合(EU)は16日に米国産製品200品目のリストを発表した。輸入額基準で年平均28億ユーロに相当する米国製工業製品に関税を課すことにした。米国産のコメや大豆などの農産物だけでなく、ハーレー・ダビッドソンのように米国を象徴する主要製品も報復関税リストに含まれた。大西洋を挟んで米国と欧州の間で関税戦争が現実化した格好だ。
さまざまな専門家がこうした流れを見て大恐慌の気運を感知する理由は何か。1930年代前後の事情を見れば理解できる。大恐慌は第1次世界大戦直後の1920年代の米国経済好況の終わりから始まった。1929年10月29日の株価大暴落がその序幕とされる。「黒い火曜日」とも呼ばれる。だが本当の大恐慌の始まりは別にあるという見方もある。米国の経済史学者ジョン・スティール・ゴードンは著書『ウォールストリート帝国』で、「大恐慌は1929年10月29日の株価大暴落ではなく翌年6月17日に制定された保護貿易法であるスムート・ホーリー法制定後に始まった」と明らかにした。
根拠がある。この法律は2万種類ほどの輸入品目に対し平均60%の関税を課した。米国の歴史上最も高い水準だった。この法律が出されると他の国も黙ってはいなかった。カナダ、フランス、英国など10カ国ほどが報復関税をかけた。ドイツは米国との貿易を最初から断絶した。各国が相次いで貿易障壁を高めた結果は世界的な貿易萎縮だ。1929年に84億ドル水準だった世界の貿易額は1933年には30億ドルまで落ち込んだ。結局1930年の米国の「関税爆弾」措置が世界の景気悪化に帰結され、トランプ大統領が引いた貿易戦争の引き金もやはり似た結果に帰結されかねないという話だ。
米国内外の懸念にもトランプ式「マイウェイ」は止まらない可能性が大きい。トランプ大統領は自身のツイッターを通じて「貿易戦争は良いことであり勝つのも簡単だ」と明らかにした。これは各国が大恐慌を通じ骨に凍みるほど得た教訓である自由貿易基調の流れを完全にひっくり返しかねない。ワシントンポストは「数十年間に構築されてきた自由貿易秩序が米国大統領の気まぐれで傷付くことになった」と明らかにした。
こうなると輸出で生きる韓国には致命的になるほかない。韓国貿易協会によると昨年の輸出が韓国の経済成長に寄与した割合は64.5%で、2012年以降で最高値だった。
その上現在の貿易戦争を主導している米国とEUとともに米国の最大のライバルである中国が米国に対する報復を現実化すれば世界経済に及ぼす衝撃はさらに大きくなる。韓国経済が受ける打撃はそれだけ大きくなる。昨年の韓国の輸出で占める3つの経済圏の割合は中国が24.8%、米国が12.0%、EUが9.4%の順だ。
ただしカナダなど伝統的な米国の友邦から逆風を浴びるトランプ大統領が保護貿易の手綱を多少緩めることはできるという観測も出ている。仁荷(インハ)大学のチョン・インギョ対外副総長は「カナダとオーストラリアなどが米国の鉄鋼関税賦課から除外されるなど主要国の対応にトランプ政権が速度を選ぶ姿も見られる。韓国もEUなど米国に対応している国との協力を通じ実益を得られる戦略を模索しなければならない」と話した。
通商スペシャリストである光云(クァンウン)大学国際通商学部のシム・サンリョル教授は最近のトランプ発貿易戦争の可能性に対しこのように評価した。シム教授だけでない。海外の専門家も似た診断を出している。「米国の関税爆弾→貿易相手国の報復関税賦課→国際貿易と世界経済の急激な萎縮」という一連の流れにつながりかねないということだ。そこで「大恐慌の前兆」という話まで出ている。
ノーベル経済学賞受賞者であるイェール大学のロバート・シラー教授はこのほどCNBCの番組に出演し、「トランプ政権の鉄鋼関税賦課は貿易戦争へ進む最初の銃声。トランプ政権は他の製品にも関税を賦課しようとするだろう。これは大恐慌当時に発生したこと」と話した。
トランプ米大統領は8日に輸入鉄鋼製品に高率の関税を課す行政命令に署名しグローバル貿易戦争の引き金を引いた。各国は直ちに「報復」を予告した。実行も速い。欧州連合(EU)は16日に米国産製品200品目のリストを発表した。輸入額基準で年平均28億ユーロに相当する米国製工業製品に関税を課すことにした。米国産のコメや大豆などの農産物だけでなく、ハーレー・ダビッドソンのように米国を象徴する主要製品も報復関税リストに含まれた。大西洋を挟んで米国と欧州の間で関税戦争が現実化した格好だ。
さまざまな専門家がこうした流れを見て大恐慌の気運を感知する理由は何か。1930年代前後の事情を見れば理解できる。大恐慌は第1次世界大戦直後の1920年代の米国経済好況の終わりから始まった。1929年10月29日の株価大暴落がその序幕とされる。「黒い火曜日」とも呼ばれる。だが本当の大恐慌の始まりは別にあるという見方もある。米国の経済史学者ジョン・スティール・ゴードンは著書『ウォールストリート帝国』で、「大恐慌は1929年10月29日の株価大暴落ではなく翌年6月17日に制定された保護貿易法であるスムート・ホーリー法制定後に始まった」と明らかにした。
根拠がある。この法律は2万種類ほどの輸入品目に対し平均60%の関税を課した。米国の歴史上最も高い水準だった。この法律が出されると他の国も黙ってはいなかった。カナダ、フランス、英国など10カ国ほどが報復関税をかけた。ドイツは米国との貿易を最初から断絶した。各国が相次いで貿易障壁を高めた結果は世界的な貿易萎縮だ。1929年に84億ドル水準だった世界の貿易額は1933年には30億ドルまで落ち込んだ。結局1930年の米国の「関税爆弾」措置が世界の景気悪化に帰結され、トランプ大統領が引いた貿易戦争の引き金もやはり似た結果に帰結されかねないという話だ。
米国内外の懸念にもトランプ式「マイウェイ」は止まらない可能性が大きい。トランプ大統領は自身のツイッターを通じて「貿易戦争は良いことであり勝つのも簡単だ」と明らかにした。これは各国が大恐慌を通じ骨に凍みるほど得た教訓である自由貿易基調の流れを完全にひっくり返しかねない。ワシントンポストは「数十年間に構築されてきた自由貿易秩序が米国大統領の気まぐれで傷付くことになった」と明らかにした。
こうなると輸出で生きる韓国には致命的になるほかない。韓国貿易協会によると昨年の輸出が韓国の経済成長に寄与した割合は64.5%で、2012年以降で最高値だった。
その上現在の貿易戦争を主導している米国とEUとともに米国の最大のライバルである中国が米国に対する報復を現実化すれば世界経済に及ぼす衝撃はさらに大きくなる。韓国経済が受ける打撃はそれだけ大きくなる。昨年の韓国の輸出で占める3つの経済圏の割合は中国が24.8%、米国が12.0%、EUが9.4%の順だ。
ただしカナダなど伝統的な米国の友邦から逆風を浴びるトランプ大統領が保護貿易の手綱を多少緩めることはできるという観測も出ている。仁荷(インハ)大学のチョン・インギョ対外副総長は「カナダとオーストラリアなどが米国の鉄鋼関税賦課から除外されるなど主要国の対応にトランプ政権が速度を選ぶ姿も見られる。韓国もEUなど米国に対応している国との協力を通じ実益を得られる戦略を模索しなければならない」と話した。
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