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魔女狩りのようなSNSへの攻撃的書き込み競争…結局入院したスピードスケート選手=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

銀メダルを獲得し、お詫びの意味でクンジョル(韓国伝統のお辞儀)をするキム・ボルム選手。

「感情を表に出すような選手ではなかったので、オリンピック(五輪)の後に落ち着きを取り戻したと思っていた。ショックがこれほど大きいとは思わなかった」。スピードスケート女子国家代表のキム・ボルム選手が神経精神科の治療を受けて入院をしたというニュースが伝えられた今月15日、キム選手の所属事務所関係者はこのように話した。平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)の団体追い抜き競技でチームメイトいじめ騒動が起きた直後、キム選手はインスタグラムを閉鎖して選手村の部屋に閉じこもった。

だが、その後のマススタート種目で銀メダルを取った後、リンクでクンジョル(韓国伝統のお辞儀)をしながら謝罪の意を明らかにするなど負担を克服していっているように見えた。先月末には所属チーム江原(カンウォン)道庁が主催した行事で明るく笑いながら「今回のことで多くのことを学んだ」と明らかにした。しかしキム選手の母親のキム・ソンオクさんは「ボルムは人前に立つことを極度に恐れている。ソウルの個人病院に行ったが状態が深刻で、(故郷の)大邱(テグ)に通院させるようにした」と話した。所属事務所関係者は「事実確認ができていなかったにもかかわらず、度を越した非難と悪質な書き込みを浴びせされたら誰でもパニック状態に陥らないだろうか」と反問した。

実際、平昌五輪期間中、これに関連した記事につけられた悪質な書き込みは刺々しいことこの上ない。「絞り出すべき膿」「黄色い頭に入れ墨をした虫」のようなコメントが何百とつけられた。一部のネットユーザーはキム選手を後援していた衣類ブランドのSNSにもコメントし、不買運動を行うと圧迫した。キム選手に対し「国家代表の資格を剥奪せよ」という青瓦台(チョンワデ、大統領府)の請願掲示板投稿文には60万人以上が参加した。


中央(チュンアン)大学心理学科のホ・ジウォン教授は「インターネット世論はちゃんとした善悪の判断がつく前に、しばしば当事者を天使と悪魔に決めつける罠に陥っている」とし「コメントも互いに競争し合いながらつけていくにつれて内容が次第に刺激的で攻撃的に進化し、回復できないほどの傷を残す」と話した。

コメントの影響力はますます大きくなっている。昨年、京畿道(キョンギド)教育研究院は青少年が記事を見るというコメントをニュースの信頼度と価値判断の主な基準とするという研究結果を発表した。研究に参加した中・高校生は「記事の本文を読む前にコメントを先に見る。コメントで記事を要約して書いてあったり自分の考えを書いてあったりしたものを先に読んで『読むだけの価値はある』と思ったら記事を読む」という反応を示した。この過程でとんでもない被害者も量産されている。「悪魔」に規定された人を明らかにするという、いわゆる「身元暴露」が広く行われるためだ。警察は、最近、鄭鳳株(チョン・ボンジュ)前議員のセクハラ疑惑を提起した女性が誰なのかを明らかにするとして身元暴露に乗り出した支持者60人余りを大量に立件した。彼らはセクハラ疑惑を最初に報道した記者と懇意で、同じ大学を卒業した上に現職記者として活動しているという点を手がかりにしてA氏が疑惑を暴露したと推定したが、A氏は事件と全く関係がなかった。昨年、「子どもを一人で下車させた」という誤解を受けた「240番バス運転手」も、オンラインで根拠のない誹謗と攻撃を受けなければならなかった。



魔女狩りのようなSNSへの攻撃的書き込み競争…結局入院したスピードスケート選手=韓国(2)


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