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「情勢動かす金正恩…経済のために核放棄対談に出るよう」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

李鍾ソク元統一部長官は「今、文在寅-トランプ-金正恩の3人の指導者が政治的勝負の賭けに出ているだけに、南北、朝米首脳会談は核問題に成果が出る可能性が大きい」と話した。

李鍾ソク(イ・ジョンソク)元統一部長官が微妙な時期に「対北特使が朝米対話を作り出すことができる」というコラムをハンギョレ新聞に寄稿した。特使団の北朝鮮訪問一週間前の2月26日付だった。李元長官は「北朝鮮が体制安全保障という条件下で米国が対話に出る水準の非核化言明をするだろう」と書いた。完全に一致した。さらには「対北特使は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が金与正(キム・ヨジョン)に割いた長い面談時間(約3時間)より長い時間を金正恩(キム・ジョンウン)と虚心坦壊に対話するだろう」とも書いた。実際に金正恩北朝鮮労働党委員長は特使団に4時間余り会った。特使団が金委員長との面談時間を決めてから行ったわけでもないのに「予言」に近い分析だった。

14日夕方、李元長官に会った。「北朝鮮問題に関しては的中」の李元長官が4月末の南北首脳会談と5月の朝米首脳会談に対してどのように占うか気になったからだ。

――どのように対北特使の成果をコラムで正確に予想したのか知りたい。


「金与正が電撃的に特使としてやって来たことにはとても重要な意味があった。金与正は北朝鮮の潜在的後継者だ。北朝鮮に特使を送りづらい状況だったが、その金与正がやってきたから返礼として送ることができることになったのだ。金与正が戻り、金正恩委員長に韓国の意中や米国の動向まで広範囲にわたる話をしたことや、そのような状況を前提に分析したのだ。徐薫(ソ・フン)国家情報院長、趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官、千海成(チョン・へソン)統一部次官は皆、以前私と一緒に北朝鮮の核問題をめぐり、夜を明かして数百回も討論して戦略をたてた方たちだ。私の考えと『シンクロ率』が高かったようだ」

李元長官は北朝鮮を研究した学者であり盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府で外交安保の指令塔を担った交渉家だ。4年間(2003~2006)国家安全保障会議(NSC)を実質的に導き、北朝鮮と直接的、間接的に対話した。

――過去とは違い、対北特使を5人送ったが。

「ある席で、特使の条件として南北関係と北朝鮮の核問題に精通し、大統領の最側近である公職者であるべきで、説得力のある弁舌がなければならないと話したことがある。事は徐薫国家情報院長を念頭に置いた話だった。だが、対米関係の象徴である鄭義溶(チョン・ウィヨン)安保室長、南北関係の象徴である徐薫国家情報院長、このようにツートップをたてたのが絶妙だった。2人はソウル高校の先輩・後輩で息もよく合う」

特使団北朝鮮訪問に前後して韓半島(朝鮮半島)の状況は想像力がついて行けないほど急進展している。特使団が作り出した結果に対する世論(リアルメーター、今月9日韓国全国500人調査)は「歓迎(73.1%)」が圧倒的だ。同時に北朝鮮に対しては「信頼はできない」というのが64.1%だ。

――南北、朝米首脳会談に対する期待も高いが、金正恩の真意に対する不信も高い二重的な状況だ。

「北朝鮮が核を絶対にあきらめないだろうと前提しているからだ。今の状況は金正恩委員長が昨年末から構想していたとみる。金委員長は昨年11月にまだ完成していなかったはずなのに無理に核武力完成を宣言した。『私に生きていく条件をくれれば核をあきらめることができる』という意味とみられる。一部では北朝鮮が核軍縮(北朝鮮だけの核廃棄ではなく核保有国間の交渉)に出るだろうと考えているが、私はかなり前から北朝鮮が体制安全保障と経済補償を核放棄と交換することができるという『条件付き非核化』について話した」

――金正恩委員長を信じることができるだろうか。

「個人を信じるのではなくパターンを見ることだ。文大統領、トランプ大統領、金委員長の3人は韓半島問題の主人公だ。全く違う側面で、この局面を突破しなければならないという点を共有している。文大統領は韓半島で葛藤状態を終息させ、南北の経済協力を通じて北榜示のとおり行く機会の入り口を開け放すという熱望が強い。トランプも北朝鮮の核問題をどんな形であれ結論を出すことが重要だ。これまで掛け金を高めながら危機を高めさせてきたが、このような形で戦争なしに解決できるならば途方もない利益だ。金正恩は野心に満ちている。今、金正恩が望んでいるのは経済だ。ポンプから水が出てくるようにする呼び水を文大統領が開いた。今、ポンプを押す作業を金正恩がしようと言い、トランプ大統領も手を取って一緒にポンプを押そうと言っている。文大統領は水が流れるように堀を作らなければならない」

――金正恩委員長が経済のために核をあきらめることができるだろうか。

「私たちが核にばかり没頭して見たため開放を見ることができなかった。労働新聞を見れば1面はいつも経済の話から出発する。彼は2014年に労働党中央委員会で経済開放を宣言する。『市場経済は体制を危険にする』と認識した水準を越えた。国際標準も継続的に強調している。北朝鮮は昨年12月に江南(カンナム)経済開発区を22番目に指定した。2017年の対北制裁圧迫の状況で何の外資を誘致すると言って経済開発区を作るのか。対北制裁解除を目標にはやく動こうという考えを読み取ることができるのではないか。もし対北圧迫と制裁さえなければ北朝鮮の経済は年間15%の成長が可能だ。『金正恩を信じられるか』。誰にも分からない。だが、今この局面を動かすのは金正恩だ。欺瞞のためにこのように出ることはできない。欺瞞を通じて何を得るだろうか。米国の先制攻撃の回避?その程度ならば『戦略挑発しない』ということだけ与えてもかまわない。もし欺瞞ならば後の嵐は受け止めきれないのではないか」

――間もなく会談場で会う3人の指導者の「化学反応」はどうか。

「昨年に文大統領に会ったが、ワシントンの正統外交文法で見るとトランプ大統領は『突出した人、異端児』という評を申し上げると文大統領が『そうではない。既存文法とは違うとみえるが、自分のやり方あるようだ』とおっしゃった。文大統領とトランプ大統領は、性格は違っても相当な信頼がある。今まで予測できないのは金正恩だった。金正恩が核放棄カードを持ってくるか分からなかったのは金正恩のリーダーシップ、北朝鮮の状況を軽視したからだ。金正恩のスタイルは金正日のスタイルとも違う」



「情勢動かす金正恩…経済のために核放棄対談に出るよう」(2)


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