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【コラム】「コトづくり」の翼をつけた日本のものづくり

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
世界1位のエアコン企業、日本のダイキン工業の目標は世界で最も静かなエアコンを作ることだ。高度な技術と莫大な費用を必要とする作業だ。しかしインドでは消費者は騒音に関心がない。心地よい風さえよく出ればよい。ダイキン工業がインドで力を発揮できない理由だ。

現在、インドでエアコン市場トップは韓国のLGエレクトロニクス。マラリア・デング熱など病気の被害が大きいという点に着眼し、超音波で蚊を追い払うエアコンを出した。インド人の好みに合わせて派手な花模様が入った製品も出した。徹底的な現地化戦略が的中したのだ。

「電子王国」日本の柱は最高の製品を作る職人精神を象徴する「ものづくり」だ。しかし1990年代以降、ものづくりは「品質と機能さえ優れていればよく売れる」という日本企業の驕りにつながった。顧客の声には耳を傾けず、高級化戦略を通じてブランド価値を高めることばかり考えた。一方、サムスン・LGなど韓国企業は現地消費者の性向と需要を分析し、消費者が望む製品を作った。韓国企業は日本企業が先に獲得した市場を一つ、二つと奪っていった。


その日本が変わっている。最近、日本経済を取材しながらよく耳にする言葉は「コトづくり」だ。製品にデザイン・ソフトウェア・サービスを加味して新しい付加価値を創り出す概念をいう。韓国企業のように消費者の需要と好みに合う製品を企画・販売する戦略に取り組んでいるということだ。

任天堂をまた復活させた「Switch」が代表的な例だ。テレビ・モニターとつないで使用する家庭用ゲーム機であり、携帯用ゲーム機のように持ち歩いて外でもゲームを楽しむことができる。

低価格小型車に集中してインド自動車市場で1位になったスズキ、照明が暗いインドネシアの店舗事情を考慮して女性が好むピンクでなく黄色で製品を包装した生活用品会社ユニ・チャーム、電気料金が高い東南アジアの国に超節電型家電ブランドを出したパナソニックなどもある。韓国で最高の日本経済専門家に挙げられる李地平(イ・ジピョン)LG経済研究院首席研究委員はコトづくりを通じた日本企業の競争力・生産性の向上が日本経済を復活させた原動力だと診断した。

これは日本と宿命的に競争するしかない韓国企業には重大な脅威だ。半導体・ディスプレーなどを除いた製造業の相当数がコトづくりでアップグレードした日本企業との競争で劣勢になる信号が感知される。驕りがあった過去の日本のように、一部の企業の一時的な実績改善に日本を超えたと錯覚したのではないか省みる必要がある。衰えていた日本企業の復活を眺めるほど心配が深まるのは私だけではないはずだ。

ソン・ヘヨン/産業部次長



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