平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)開催を通じて最も目覚ましく発展した種目にはボブスレー・スケルトンなどのそり競技を挙げることができる。韓国はその間、そり競技の不毛地だった。ボブスレーやスケルトンはアスファルトの道路上で他人のそりを借りながらなんとか命脈を維持してきた不人気種目だった。しかし平昌五輪を控えてそり競技は政府の全面的な支援を受けた。そして選手たちが懸命に努力し、スケルトンのユン・ソンビンは金メダル、男子ボブスレー4人乗りは銀メダルを獲得するという快挙を成し遂げた。ボブスレー・スケルトン代表チームは「平昌は終わりでなく始まり」と述べ、今後の活躍を誓った。
ところが平昌五輪の閉幕からわずか10日後、青天の霹靂のような話が入った。国内唯一のそり専用競技場の平昌アルペンシアスライディングセンターを使用できなくなったという通知を受けたのだ。ボブスレー・スケルトン代表チームのイ・ヨン総監督(40)は7日、ソウル松坡区オリンピックパークテルで開かれた平昌五輪決算メディアデー行事で「政府の予算不足でこれ以上は競技場を使用できないという話を聞いた。1000億ウォン(約100億円)以上もかけて競技場を建設しながらも選手たちが自由に練習できないという状況が発生した」と述べた。
アルペンシアスライディングセンターは工事費1141億ウォンを投入して2016年10月に完工した。昨年2月と3月にリュージュ・ボブスレー・スケルトンのワールドカップ(W杯)が相次いで行われ、今年は平昌五輪まで立派に開催した。特に最新式の施設と氷質は外国選手および関係者から絶賛を受けた。
1988年冬季五輪を開催した日本の長野スライディングセンターが最近閉鎖し、アルペンシアスライディングセンターはアジア唯一のそり専用競技場となった。世界16番目のそり専用競技場であるアルペンシアスライディングセンターは室内スタート練習場、室内ウォーミングアップ場など各種最新施設を備えている。しかし2015年に江原道(カンウォンド)と韓国体育大学が事後活用業務協約(MOU)を結んだこと以外には事後活用案を決めることができなかった。
ひとまず政府はアルペンシアスライディングセンターを保存する方向を定めた状況だ。問題は存続する場合に維持費用を誰が負担するかだ。江原道庁の関係者は「現在、企画財政部が施設活用の用途と財源の規模を把握している。その結果を見てまた議論する計画」と話した。
2015年に江原道開発公社が調査した結果、アルペンシアスライディングセンターの運営費は年間21億30000万ウォンと予想された。このうち一般利用客からの収益金7億ウォンを差し引けば毎年14億ウォンほどの損失が出る。この金額に関連してまだ政府と江原道は結論を出せない状態だ。このため今年のスライディングセンター関連運営予算が確保されず、運営主体が決まるまで閉鎖することになった。
こうした状況は選手たちにそのまま影響を及ぼした。次のシーズンの準備のために今月中旬から練習を始めようとしていたが、実戦練習ができなくなった。運営の主体が決まらず、9-10月に行う予定のトラック練習も難しくなった。しかも大韓体育会の冬季種目選手育成予算支援が終了し、ボブスレー・スケルトン代表候補チームは解体した。イ・ヨン監督は「登録選手が少なくてチームを運営できないという話を聞いた。スタッフと選手を合わせて19人で、運営費は年間8億ウォンほどだ。苦楽を共にしながらここまできたが、予算が確保されなかったという理由で解散し、胸が痛む」と話した。
平昌五輪のボブスレーで銀メダルを獲得した韓国代表チームのパイロット、ウォン・ユンジョン(33、江原道庁)は「施設を使用できなければ競技力は落ちるしかない。ようやくそり競技が芽生え始めたが、その芽が育つこともなく消えるのかと思うと残念でならない」と語った。
外国でもそり専用トラック管理・運営は大きな問題だ。今まで全世界に建設されたそり専用競技場は30件だが、うち14件が消えた。フランスだけでも3つの競技場が閉鎖され、1972年冬季五輪を開催した札幌、98年に五輪が開催された長野のトラックも閉鎖された。2006年トリノ五輪で使用されたそり競技トラックも毎年200万ドルほどの運営費を負担できなかった。
一方、カナダのウィスラーと米国のパークシティはワールドカップ、北アメリカ杯などの国際大会を招致し、同時に関連観光商品を開発したことで「テーマパーク」として定着した。江原研究院のキム・テドン副研究委員は「五輪が終わってすぐにスライディングセンターを閉鎖するというのは話にならない。単なる競技用ではなく体験型プログラムのようなマーケティング商品を開発し、クロスカントリーセンター、スキージャンプセンターなどの周辺施設と連係して発展させる方向を見つけなければいけない」とし「アジア唯一のそり専用競技場という価値をうまく活用し、そり競技場を保存しながら収益も出せる方法を考えるべきだ」と話した。
◆平昌アルペンシアスライディングセンター
工事期間:2013年12月-2016年10月
工事費用:1141億ウォン(約114億円)
全長:2018メートル
カーブ:16カ所
標高差:117メートル(ボブスレー・スケルトン基準)
最高速度:時速134キロ
主要施設:競技トラック、室内スタート練習場、室内ウォーミングアップ場
主要大会:2017年3月のW杯第8戦、2018年2月の平昌五輪
ところが平昌五輪の閉幕からわずか10日後、青天の霹靂のような話が入った。国内唯一のそり専用競技場の平昌アルペンシアスライディングセンターを使用できなくなったという通知を受けたのだ。ボブスレー・スケルトン代表チームのイ・ヨン総監督(40)は7日、ソウル松坡区オリンピックパークテルで開かれた平昌五輪決算メディアデー行事で「政府の予算不足でこれ以上は競技場を使用できないという話を聞いた。1000億ウォン(約100億円)以上もかけて競技場を建設しながらも選手たちが自由に練習できないという状況が発生した」と述べた。
アルペンシアスライディングセンターは工事費1141億ウォンを投入して2016年10月に完工した。昨年2月と3月にリュージュ・ボブスレー・スケルトンのワールドカップ(W杯)が相次いで行われ、今年は平昌五輪まで立派に開催した。特に最新式の施設と氷質は外国選手および関係者から絶賛を受けた。
1988年冬季五輪を開催した日本の長野スライディングセンターが最近閉鎖し、アルペンシアスライディングセンターはアジア唯一のそり専用競技場となった。世界16番目のそり専用競技場であるアルペンシアスライディングセンターは室内スタート練習場、室内ウォーミングアップ場など各種最新施設を備えている。しかし2015年に江原道(カンウォンド)と韓国体育大学が事後活用業務協約(MOU)を結んだこと以外には事後活用案を決めることができなかった。
ひとまず政府はアルペンシアスライディングセンターを保存する方向を定めた状況だ。問題は存続する場合に維持費用を誰が負担するかだ。江原道庁の関係者は「現在、企画財政部が施設活用の用途と財源の規模を把握している。その結果を見てまた議論する計画」と話した。
2015年に江原道開発公社が調査した結果、アルペンシアスライディングセンターの運営費は年間21億30000万ウォンと予想された。このうち一般利用客からの収益金7億ウォンを差し引けば毎年14億ウォンほどの損失が出る。この金額に関連してまだ政府と江原道は結論を出せない状態だ。このため今年のスライディングセンター関連運営予算が確保されず、運営主体が決まるまで閉鎖することになった。
こうした状況は選手たちにそのまま影響を及ぼした。次のシーズンの準備のために今月中旬から練習を始めようとしていたが、実戦練習ができなくなった。運営の主体が決まらず、9-10月に行う予定のトラック練習も難しくなった。しかも大韓体育会の冬季種目選手育成予算支援が終了し、ボブスレー・スケルトン代表候補チームは解体した。イ・ヨン監督は「登録選手が少なくてチームを運営できないという話を聞いた。スタッフと選手を合わせて19人で、運営費は年間8億ウォンほどだ。苦楽を共にしながらここまできたが、予算が確保されなかったという理由で解散し、胸が痛む」と話した。
平昌五輪のボブスレーで銀メダルを獲得した韓国代表チームのパイロット、ウォン・ユンジョン(33、江原道庁)は「施設を使用できなければ競技力は落ちるしかない。ようやくそり競技が芽生え始めたが、その芽が育つこともなく消えるのかと思うと残念でならない」と語った。
外国でもそり専用トラック管理・運営は大きな問題だ。今まで全世界に建設されたそり専用競技場は30件だが、うち14件が消えた。フランスだけでも3つの競技場が閉鎖され、1972年冬季五輪を開催した札幌、98年に五輪が開催された長野のトラックも閉鎖された。2006年トリノ五輪で使用されたそり競技トラックも毎年200万ドルほどの運営費を負担できなかった。
一方、カナダのウィスラーと米国のパークシティはワールドカップ、北アメリカ杯などの国際大会を招致し、同時に関連観光商品を開発したことで「テーマパーク」として定着した。江原研究院のキム・テドン副研究委員は「五輪が終わってすぐにスライディングセンターを閉鎖するというのは話にならない。単なる競技用ではなく体験型プログラムのようなマーケティング商品を開発し、クロスカントリーセンター、スキージャンプセンターなどの周辺施設と連係して発展させる方向を見つけなければいけない」とし「アジア唯一のそり専用競技場という価値をうまく活用し、そり競技場を保存しながら収益も出せる方法を考えるべきだ」と話した。
◆平昌アルペンシアスライディングセンター
工事期間:2013年12月-2016年10月
工事費用:1141億ウォン(約114億円)
全長:2018メートル
カーブ:16カ所
標高差:117メートル(ボブスレー・スケルトン基準)
最高速度:時速134キロ
主要施設:競技トラック、室内スタート練習場、室内ウォーミングアップ場
主要大会:2017年3月のW杯第8戦、2018年2月の平昌五輪
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