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平昌「コリアハウス」はデザイン無視、コンテナで急造

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

江陵(カンヌン)五輪パークのコリアハウス。デザイン審査なくコンテナで建設された。

2018平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)で競技場を除いて広報戦が最も激しかったところは国別に建設された「ナショナルハウス」だ。参加国のうち17カ国がナショナルハウスを設置し、民間外交の場として活用した。当初は自国の選手団とメディアを支援する「五輪ベースキャンプ」としてスタートしたが、しだいに自国の文化を広報する「小さな大使館」となっている。世界の人々の耳目が集中する五輪で国名を掲げた唯一無二の場所という特殊性のためだ。

「コリアハウス」の場合、カーリングセンターなど主要競技場があり流動人口が多い江陵(カンヌン)五輪パーク内にある。3階建ての「コリアハウス」は灰色のコンテナで建設された。産業団地でよく見ることができる倉庫型建物のようだ。自国から空輸した原木を使用して伝統家屋「シャレー」スタイルで建てられたスイスハウス、丸太の山荘を実現したオーストリアハウスのように自国の伝統と文化を生かしたナショナルハウスのデザインとは全く違う。

コリアハウスはデザインを考慮しなかった。建設を推進した大韓体育会が最低費用で電子入札を行ったからだ。昨年9月に大韓体育会が出した「2018平昌五輪コリアハウス基本・実施設計サービス」のための入札公告によると、落札者選定方法を「入札書を提出した企業のうち最低価格で提出した者」と明示していた。その後、最低価格で落札された企業に15日以内にデザイン案(計画設計)を3件以上提出させ、その中から1件を選んで工事の図面を描き、1カ月余りでコリアハウスを建設した。工事費は17億ウォン(約1億7000万円)だった。灰色のコンテナ建物の裏には「デザイン競争」ではなく「価格競争」があったのだ。しかし大韓体育会が明らかにした入札公告案の課題目的は皮肉にもデザインだった。


「全世界の人々が集まる祝祭の場である五輪で韓国的でありながらも世界の人々にアピールできるデザインを開発し、平昌冬季オリンピック・パラリンピック期間にコリアハウスが大韓民国を代表するランドマークとして位置づけられるようにする」。

なぜこのようなことが生じたのか。建築業界によると、大韓体育会は昨年7月、建築・文化系専門家を集め、コリアハウス設置および運営のための諮問会議を開いた。その場ではコンテナでコリアハウスを建設するという大韓体育会の案に反対する意見が多かったという。「大韓民国の国格を見せるべき代表的な建物をコンテナで建てることはできない」という理由からだ。

しかし設計公募展を進めるには時間が迫っていた。建築業界のある関係者は「アイデア公募展をしたり、例外的な状況であることを挙げてデザインから施工まで一括で進める『ターンキー方式』で進めるなどいかなる方式であれデザイン案をめぐり競争する方式を勧めたが、大韓体育会は黙殺無答だった」と伝えた。その後、大韓体育会は手続き上、公正性を理由に最低価格者入札を進めた。大韓体育会の関係者は「国内で進める場合、海外に出ていく時のように予算をあらかじめ多く確保できないうえ、コリアハウスの敷地自体が8月末に確定し、調達庁の指針に基づいてデザイン公募展を進めるには時間が迫っていた」と話した。

専門家らは異口同音に「平昌冬季五輪を総括する建築コーディネーターがいなかったのが問題」と指摘した。五輪のための施設が新しく建設されただけに、全体のデザインを総括・管理する専門家を置くべきだったということだ。明知大のパク・インソク教授(建築学部)は「それぞれの行政組織が必要な建築物をそのたびに発注する前に、いかなる手続きを踏んで設計を任せるのか、何を優先するのかなどデザイン管理システムから設けるべきだった」とし「いくつかの利害関係のためいつも時間に追われる行政手続き上、公務員が最も好む方式が価格入札だが、デザインの質を確保できないのが大きな問題」と述べた。

建築家のキム・インチョル氏(アルキウム代表)は「コリアハウスをコンテナで建てるとしても、どう配置するかによって韓国的な情緒を表現することができたはず」とし「五輪組織委が発足した時に組織委内に施設を全般的に管理する総括建築家の席が最初からなかったという点だけを見ても、建築を文化として見る認識自体が依然として足りないことが分かる」と批判した。



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