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【コラム】タクシーを拾いにくいからといって相乗りを求める発想=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
私が小さかったごろ、タクシーの相乗りは合法だった。そのため、タクシーに乗ることは鬼ごっこパフォーマンスのようだった。母の指示により私たち三兄妹は街路樹の後に隠れたりした。母は一人であるかのようにタクシーを拾い、1台が立ち止まればすぐに飛び出して車に乗った。ぷっと笑ってしまう運転手もいたが、ほとんどいやな顔をした。相乗りができず収入が減るのである程度納得できることだ。私たちは隠れなければタクシーに乗ることができないからそうするしか方法がなかった。

昔のことが思い出した理由は国土交通部がタクシーの相乗り許容案を検討しているためだ。36年前に廃止した制度を取り出した理由は深夜乗車難の解消のためだ。スマホのアプリ技術が発展して乗客別料金を計算できる場合があるため、「料金をめぐる争い」という障害物も消えたという主張だ。だが、これは市民の便宜は無視してタクシー業界だけ考えようとする発想だと思う。すでに青瓦台(チョンワデ、大統領府)の国民請願掲示板とオンライン世論は「なぜタクシー業界に振り回されるのか」という反対の声が高い。

深夜乗車難の解消が目的であれば、ライドシェアサービスの許容が対策になり得る。カープールアプリの拡大も可能だ。ライドシェアはグローバル市場ではすでに主な交通手段として位置付けられている。米国のウーバー・リフト、シンガポールの グラブ、中国の滴滴出行のような会社が主導している。


私は海外に出るとタクシーの代わりにこのようなサービスを利用している。安価で便利だからだ。最近、サンフランシスコ空港から市内まで約20キロメートルを移動したことがあるが、ウーバーは27ドル(約2857円)、タクシーは52ドルだった。事前に登録したクレジットカードで料金を支払い、領収書は電子メールで発行される。すべてが記録されるため、不安感も減る。シンガポールの友達は「運転手が付いた車一台を持っているようだ」と話した。

ライドシェア市場は爆発的に成長している。ウーバーは昨年世界600都市で約40億回を運行した。韓国では2013年にサービスを始めたが、1年目にしてソウル市が違法に定めて利用できない。タクシー営業行為を侵害し、検証されていない車両の使用が危険だというのが主な理由だ。海外でも運転手の長時間労働、犯罪被害、規制回避は問題として指摘されている。

だが、韓国のタクシー制度の問題点、相乗りの復活がもたらす波及もこれに劣らない。知らない人と目的地を共有して身体接触をするのは犯罪につながる可能性がある。速い移動という本来の機能も消える。一人でない乗客は冷遇されるのが明らかだ。1980年代への回帰だ。

ライドシェアという新技術の登場で世界交通業界は「破壊的革新」を体験している。既存の産業は再編されるほかはない。そこから目をそらせばその場凌ぎに過ぎない。GM・トヨタなど自動車メーカー、ソニーのような電子メーカーがライドシェアリングサービスに飛び込む時代だ。国土部の見解がとても狭いようで残念だ。

パク・ヒョニョン/中央SUNDAY次長



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