文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「平昌(ピョンチャン)構想」は、北朝鮮の平昌冬季オリンピック(五輪)参加をきっかけに南北関係を改善し、これを朝米対話に結びつけるというものだった。しかし実際には平昌五輪は朝米間に立場の違いだけを浮き彫りにする結果につながった。「仲裁者」を自負する韓国政府は米国と北朝鮮の間に挟まれて妙案を出せずにいる。
平昌冬季パラリンピック(3月9-18日)後に延期された韓米連合軍事訓練に対する朝米の立場は平行線に近い。米国は「さらなる連合訓練延期の可能性はない」(2月28日、ナッパー駐韓米大使代理)と断言した。ナッパー大使代理は「我々の同盟が強い抑止力を維持するために適切な措置を取るべきという実質的な必要性があり、連合訓練を通じてのみこれを達成できる」と説明した。連合訓練と同盟関係を等しく見る雰囲気だ。
北朝鮮は受け入れられないという立場を明らかにした。平昌五輪の閉会式に出席するため訪韓した金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長の一行は、韓国政府が「連合訓練は予定通りにするしかない」と伝えると、「軍など内部の反発があり得るため受け入れることはできない」という趣旨で答えた。閉会式が開かれた先月25日、北朝鮮労働党機関紙の労働新聞は「米国が南朝鮮の傀儡と合同軍事演習を再開すれば、それに断固対処していく」と明らかにした。
対話を始めるための前提条件も朝米間に接点がない。トランプ政権の立場は「対話の条件は非核化」という点が確実だ。ナッパー大使代理は「目標が非核化と明確に表明されない対話は望まない」と具体的に表現した。外交筋は「北が『この対話の目標と結果は核廃棄』という点を事前に認めて事実上ひざまずいて出てこいというのが米国の立場」と伝えた。
しかし北朝鮮は対話の前提が「核保有国地位の認定」だ。北朝鮮の立場を代弁する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙「朝鮮新報」は1日、「核保有国の朝鮮との武力衝突を避けようとするなら、トランプ大統領は朝鮮と対話する方法を模索しなければならない」とし「(対話の)条件は米国が作るべき」と主張した。
韓国政府が南北接触を通じて水面下で把握した立場も同じだった。今回の訪韓で金英哲副委員長は「米国と対話をする用意がある」と数回明らかにしたが、実際には「核保有国の地位を持って米国と対話する」という話だったという。北朝鮮が言う朝米対話は非核化対話でなく核軍縮対話ということだ。米国と北朝鮮が言う「対話」はこのように完全に意味が異なる。
こうした中、双方を説得して仲介する計画だった韓国政府は困難な状況を迎えている。北朝鮮も米国も韓国の立場を考慮する考えはない。文大統領が自ら「米国は対話のハードルを下げる必要があり、北も非核化の意志を見せるべき」と促したが、どちら側からも反応はない。
韓国政府は朝米対話の早期実現に向けて努力しているが、双方の立場の違いが大きいため、急ぐよりも落ち着いて周辺の雰囲気形成に集中すべきだという指摘が出ている。対話のきっかけを見つけるための米国との意見調整が核心だ。
金英秀(キム・ヨンス)西江大政治外交学科教授は「現在、朝米間に根本的な立場の違いがあるうえ、交渉力を確保しようという駆け引きの側面もあり、双方ともに譲歩が難しい。韓国政府は中間で性急な判断を保留し、今年下半期まで長く眺めながら、韓米間協議や南北接触などを通じて対話のきっかけを作るために努力を続けていく必要がある」と助言した。
平昌冬季パラリンピック(3月9-18日)後に延期された韓米連合軍事訓練に対する朝米の立場は平行線に近い。米国は「さらなる連合訓練延期の可能性はない」(2月28日、ナッパー駐韓米大使代理)と断言した。ナッパー大使代理は「我々の同盟が強い抑止力を維持するために適切な措置を取るべきという実質的な必要性があり、連合訓練を通じてのみこれを達成できる」と説明した。連合訓練と同盟関係を等しく見る雰囲気だ。
北朝鮮は受け入れられないという立場を明らかにした。平昌五輪の閉会式に出席するため訪韓した金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長の一行は、韓国政府が「連合訓練は予定通りにするしかない」と伝えると、「軍など内部の反発があり得るため受け入れることはできない」という趣旨で答えた。閉会式が開かれた先月25日、北朝鮮労働党機関紙の労働新聞は「米国が南朝鮮の傀儡と合同軍事演習を再開すれば、それに断固対処していく」と明らかにした。
対話を始めるための前提条件も朝米間に接点がない。トランプ政権の立場は「対話の条件は非核化」という点が確実だ。ナッパー大使代理は「目標が非核化と明確に表明されない対話は望まない」と具体的に表現した。外交筋は「北が『この対話の目標と結果は核廃棄』という点を事前に認めて事実上ひざまずいて出てこいというのが米国の立場」と伝えた。
しかし北朝鮮は対話の前提が「核保有国地位の認定」だ。北朝鮮の立場を代弁する在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙「朝鮮新報」は1日、「核保有国の朝鮮との武力衝突を避けようとするなら、トランプ大統領は朝鮮と対話する方法を模索しなければならない」とし「(対話の)条件は米国が作るべき」と主張した。
韓国政府が南北接触を通じて水面下で把握した立場も同じだった。今回の訪韓で金英哲副委員長は「米国と対話をする用意がある」と数回明らかにしたが、実際には「核保有国の地位を持って米国と対話する」という話だったという。北朝鮮が言う朝米対話は非核化対話でなく核軍縮対話ということだ。米国と北朝鮮が言う「対話」はこのように完全に意味が異なる。
こうした中、双方を説得して仲介する計画だった韓国政府は困難な状況を迎えている。北朝鮮も米国も韓国の立場を考慮する考えはない。文大統領が自ら「米国は対話のハードルを下げる必要があり、北も非核化の意志を見せるべき」と促したが、どちら側からも反応はない。
韓国政府は朝米対話の早期実現に向けて努力しているが、双方の立場の違いが大きいため、急ぐよりも落ち着いて周辺の雰囲気形成に集中すべきだという指摘が出ている。対話のきっかけを見つけるための米国との意見調整が核心だ。
金英秀(キム・ヨンス)西江大政治外交学科教授は「現在、朝米間に根本的な立場の違いがあるうえ、交渉力を確保しようという駆け引きの側面もあり、双方ともに譲歩が難しい。韓国政府は中間で性急な判断を保留し、今年下半期まで長く眺めながら、韓米間協議や南北接触などを通じて対話のきっかけを作るために努力を続けていく必要がある」と助言した。
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