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金英哲氏は31カ国で制裁対象…韓国政府はまた「了解外交」に?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮が平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)閉会式に参加する高位代表団の団長として発表した金英哲(キム・ヨンチョル)労働党中央委員会副委員長は、韓国や米国、オーストラリア、欧州連合(EU・28カ国)など31カ国の制裁対象だ。魯圭悳(ノ・ギュドク)外交部報道官は22日、定例記者会見で金英哲氏の訪韓が制裁違反ではないのかという質問に「平昌五輪を成功裏に開催するうえで国際社会の対北朝鮮制裁の枠組みを守るのが韓国政府の基本立場」とし「今回の北朝鮮の高官代表団の訪韓もこのような枠組みの中で行われるように米国などと緊密に協議中」と明らかにした。

米国は金英哲氏を2010年8月に独自制裁の対象に指定した。当時、偵察総局長だった彼が在来式武器の取り引きに関与したという容疑だった。偵察総局も共に名簿に入った。韓国は2016年3月、金英哲氏を制裁した。当時、金英哲氏は統一戦線部長を務めていたが、名簿には「元偵察総局長」に記された。彼が偵察総局長として行った行為が制裁の理由になるということだ。政府は金英哲氏が大量破壊兵器(WMD)の開発にかかわったと明らかにした。

韓国と米国の独自制裁はいずれも金融制裁だ。資産凍結、金融取り引きの禁止などの措置が課されている。国連安全保障理事会の制裁とは違い、旅行禁止を適用されない。金英哲氏の訪韓に技術的な問題はないという意味だ。2016年、安保理決議第2270号の制裁対象に指定された「キム・ヨンチョル」は朝鮮鉱業開発貿易会社(KOMID)イラン代表で、彼と同名異人だ。


しかし、旅行禁止対象であろうがなかろうが、金英哲氏の訪韓には国際連携のレベルで事前協議が欠かせない。現在、平昌五輪を機につくられた和解局面を続けるために国際社会はまず韓国のこのような努力に協力する雰囲気だ。政府当局者は「主要国、特に、米国とほとんどリアルタイムですべての部分を疎通して調整している。すべての制裁には例外と免除に対する根拠があるため、これに基づいて協力を求めている」と説明した。

しかし、五輪という特殊性を考えても韓国が北朝鮮に対する制裁免除の先例を相次ぎ作っているという懸念の声も続いている。これに先立ち、馬息嶺(マシクリョン)スキー場での共同訓練に向けた北朝鮮訪問団のチャーター機利用、北朝鮮芸術団の万景峰(マンギョンボン)92号利用、金与正(キム・ヨジョン)北朝鮮労働党中央委第1副部長とチェ・フィ北朝鮮国家体育指導委員長の訪韓などのために、韓国政府は米国と国連安保理などから制裁免除措置を受けた。金英哲氏をめぐっても、また「了解外交」が余儀なくされている。



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