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自動車・半導体への摩擦拡大を懸念…文大統領が積極対応

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
対北朝鮮政策で米国との連携を強調してきた文在寅(ムン・ジェイン)大統領が韓米通商分野では「国益最優先」を指示した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)で19日に開かれた首席秘書官・補佐官会議で、米国発の通商圧力に関連して世界貿易機関(WTO)提訴と韓米自由貿易協定(FTA)違反について検討すべきと主張しながらだ。この日午前11時ごろ、韓国産業通商資源部が米国の韓国産鉄鋼規制をWTOに提訴するかどうかに関して「提訴方針を決めたことはない」という立場を表明してから3時間後のことだった。

青瓦台関係者は「文大統領は安保論理と通商論理は異なり別の軌道で進めなければいけないという考え方が強い」とし「南北の接触後、朝米対話問題が出ているが、これは通商とは別に導いていくべきだ」と話した。

韓国政府としては安保と通商の分離対応が避けられない。「雇用政府」を最優先課題とする文在寅政権は、野党と財界の反発にもかかわらず最低賃金引き上げなどを施行した。こうした状況で数万件の雇用に影響を及ぼすトランプ政権の通商報復措置に対して守勢に回る場合、雇用政府の旗幟が脅かされる。


現実的には通商圧力ドミノを事前に遮断するという目的もある。鉄鋼・アルミニウムなどを狙った報復関税に積極的に対応しない場合、韓国の主力輸出品である半導体・自動車にまで通商圧力が広がるおそれがあるからだ。青瓦台関係者は「鉄鋼で前例ができてしまえば、今後、自動車・半導体など主力業種に次々と広がるかもしれない」と指摘した。

米国発の通商圧力が具体化する場合、6月の地方選挙を含む国内政治にも影響を及ぼしかねない。すでに与野党は韓国GMの群山(クンサン)工場閉鎖措置以降、タスクフォース(TF、作業部会)を設置するなど敏感に反応している。特に韓国など12カ国の鉄鋼製品に最大53%の関税を賦課する米商務省の提案が現実になる場合、さらに厳しい状況を迎える。

実際、トランプ政権と文在寅政権の通商衝突は予想されていた。昨年6月のワシントンでの最初の韓米首脳会談直後、トランプ大統領は「自動車や鉄鋼の貿易問題について話した。韓国に中国の鉄鋼ダンピング輸出を許容しないでほしいと求めた」と明らかにした。青瓦台関係者によると、文大統領は当時、該当物量は(対米)輸出の2%にすぎないという数値を提示して理解を求めた。8日に訪韓したペンス米副大統領に対しては、米政権が韓国産洗濯機などを対象にセーフガード(緊急輸入制限措置)を発動したことについて「これを解除してほしい」と直接要請した。

文大統領は通商と安保を分離する指針を出したが、韓米間には対北朝鮮政策で緊密な協調関係を築きながらも通商分野では駆け引きをする複雑な状況が形成された。北朝鮮への「最大限の圧力」を掲げたトランプ政権を相手に南北首脳会談のプラス面を説得しながら、通商分野では韓国の国益を貫徹させるという二重の課題が、文在寅政権2年目に与えられたのだ。

一部では今回の米国発通商圧力が韓米間の意思疎通不足の結果という指摘も出ている。敏感な通商イシューを多様なチャンネルを通じて事前に調整できず、両国首脳が公開的・具体的に取り上げることになった状況自体が問題という批判だ。平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)を迎えての対北朝鮮融和局面で累積した「ぎこちなさ」が通商不協和音として表れたという見方もある。

米国と中国に別の基準を適用しているという批判も出ている。韓国政府は昨年、中国が高高度防衛ミサイル(THAAD)配備後に経済報復をしたことに対してはWTO提訴方針を固めながらも提訴を撤回した。一方、米国が先月、韓国産洗濯機にセーフガードを発動した後には直ちに提訴方針を決め、実際に来月提訴するという。



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