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<平昌五輪>キム・ヨナはなぜ「愛と尊敬」を受けるのだろうか

ⓒ ISPLUS/中央日報日本語版

16日、江原道(カンウォンド)平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)スライディングセンターに姿を見せたキム・ヨナ。

16日、キム・ヨナが江原道(カンウォンド)平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)スライディングセンターに姿を見せた。だが、多くの人々がキム・ヨナの登場を知らなかった。キム・ヨナが黒いマスクに帽子を目深にかぶった様子で観覧席に座っていたためだ。「スケルトンの皇帝」尹誠彬(ユン・ソンビン)を応援するためにやってきた。

その後、キム・ヨナは静かに競技場を後にした。尹誠彬に向けられた熱いフラッシュの洗礼の中に、キム・ヨナの姿はなかった。韓国スポーツ歴史を新たに書いた「フィギュアクイーン」と「スケルトンの皇帝」が一緒にいる姿が1枚の写真に収まっていたら、反応はさらに熱いものになったに違いない。キム・ヨナが尹誠彬を祝うアクションを取るだけでも大きな話題になりえた。

キム・ヨナはそうできる「資格」を持った人だ。冬季五輪のレジェンドであり、平昌五輪の広報大使だ。その気持さえあればできなかったわけではない。だが、キム・ヨナはそうはしなかった。この日の英雄、尹誠彬を単独で輝かせた。


これこそが真の応援だ。何の私心もなくただ選手の善戦を応援する、「定石」だ。一歩遅れてキム・ヨナが応援に来ていたことが伝えられると、「やはりキム・ヨナだ」という賛辞が次々と起こった。

キム・ヨナが国民の愛と尊敬を受けている理由の一つだ。五輪金メダルリストであり、韓国冬季スポーツの先駆者であるキム・ヨナは最高の座にいながらもいつも驕るところがない。自分がやるべきこと、またやってはいけないことを正確に判断して最善を尽くして実行する。謙遜と同時に原則と規定を守るのは当然の過程だ。周辺に「特恵」というものはなかった。権威意識も、自分が上だという意識も存在しなかった。いつも国民が願うこと、韓国スポーツが発展できることだけをやってきた。まだ28歳ではあるが、このようなキム・ヨナを国民は尊敬の対象として見るほかない。

冷静に自身を振り返り、資格がないならやらないのは最近の時代の常識であり道理だ。いくら親切に案内しても出入り禁止区域なら行かないのが「正しいこと」だ。特恵を避ける道でもある。自身が必要な場所なのかそうではないのかに対する判断力が重要な理由だ。

キム・ヨナが一度でも自分のことを弁解したことはあっただろうか。2014年ソチ冬季五輪銀メダル。世界が驚くほどの不公正性判定がホームチームのロシアに相次ぐと皆が認められないと言った。これを一番嫌がったのはキム・ヨナだった。彼女は黙々と受け入れた。相手を尊重した。このような心構えと成熟した姿は国民の心を熱くさせた。キム・ヨナに改めて感動し、深い余韻を残した。怒りは国民がキム・ヨナに代わって噴出させた。

尊敬心は無理強いされて芽生えるものではない。私心のない真心が基本だ。あちこちに顔を出したからと言っていいことでは、もっとない。スケルトン金メダル獲得当時、フィニッシュラインの接近権限もないのに立ち入った朴映宣(パク・ヨンソン)国会議員を考えてみるべきだ。さまざまな難題やイシューにもかかわらず、大会初・中盤を熱い情熱で奔走しているボランティアメンバーに「卑劣な言葉とパワハラ」で問題を醸した李起興(イ・ギフン)大韓体育会長のことについても改めて考えてみるべきではないだろうか。



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