2カ月ほど前の昨年11月29日、横田在日米軍空軍基地。基地を出発した米軍航空機に日本国家安全保障会議(NSC)の幹部が乗っていた。目的地は日本ではなく韓国の烏山(オサン)在韓米軍空軍基地。在韓米軍の主宰で日本・豪州・カナダの責任者が出席する極秘会談が開かれた。テーマは韓半島(朝鮮半島)戦争勃発時の共同撤収連合作戦の準備。韓国の目に触れないようJALなど民間機には乗らず、米軍機に乗って韓国に潜入する007作戦をしたのだ。何ごともないように振る舞う韓国とは違い、これらの国はなぜ慌ただしく動いているのか。我々が問題なのか、彼らが問題なのか。
ビクター・チャ氏の駐韓米国大使内定撤回をめぐり、さまざまな声が出ている。その一つが、迫る韓国内の米国人避難問題をめぐりホワイトハウス核心部と意見が合わなかったという見解だ。その真偽はさておき、ワシントンの気流が「平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)までは我慢する」に流れているのは事実だ。それを象徴的に見せた場面が2つある。
10日前のハワイ太平洋司令部での韓米国防相会談。マティス長官は宋永武(ソン・ヨンム)長官に「韓米連合軍事訓練は五輪が終わればすぐに始める。規模の縮小などはない」と強調した。特に韓半島を管轄するハリス米太平洋軍司令官が最も強硬だった。この席で韓米軍事訓練の再開は事実上決定した。宋長官が2日後、「核兵器を使えば北の政権は地図からおそらく消えるだろう」と述べたのも、ハワイでハリス司令官の口から出た言葉だった。
もう一つは3週間前にバンクーバーで開催された20カ国外相会合だ。非公開で進行された会合で出席者らはマティス長官の演説にぞっとしたという。外相会合で国防長官が演壇に立つのも異例だったが、内容はさらに衝撃的だった。当時の関係者の証言だ。
「マティス長官の要点は大きく2つあった。一つは『南北対話の気運が高まっているのはOK。しかしそれはあくまでも我々の最大限の圧力とは別物だ』ということだ。もう一つは『ここの聡明な外交官がこれという代案を用意できなければ、国防相が集まって軍事カードを模索するだろう。我々は戦争の計画を持っている』ということだ」。誰を狙ったものかは明らかだ。
ペンス米副大統領が明日ソウルに来る。最大の関心事はペンス-金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長の会談が行われるかどうかだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権の中心人物は「ショーはしないがこの機会は逃さない」と話した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)も「政治的躍動性が発揮されることを望む」と述べた。なんとか会談を実現させようという意志が見える。一方、米国は断固たる態度だ。ペンス副大統領は、北朝鮮で意識不明になり帰国後に死亡したワームビア氏の父を同行させ、韓国哨戒艦「天安」追悼館に行って脱北者にも会う。どんなメッセージを伝えにくるかは明確だ。
私はこの同床異夢が「平昌以後」の足かせにならないか懸念している。北朝鮮の挑発も問題だが、アシアナチャーター機の投入、万景峰号に対する入港許可など、苦労して構築した対北制裁網の「例外」ばかり探して北朝鮮に与える韓国の行動に対する米国の不満と不信は臨界値を超えている。韓国側に一言もなくビクター・チャ氏の駐韓米国大使内定を撤回し、脱北者チ・ソンホ氏を国政演説に登場させたことを軽く見てはいけない。こうした状況で、接触を望まない米国に対し、テロ支援国代表の金永南委員長と握手をさせる屈辱を与えてはいけない。たとえ会うことになっても、ペンス副大統領の口からは韓国が望む発言ではなく、北朝鮮を刺激する発言が出てくる可能性が高い。朝米対話の突破口を開くという断片的な考えで握手を誘導する悪手を打たないことを願う。「イベント」でできることではない。
金玄基(キム・ヒョンギ)/ワシントン総局長
ビクター・チャ氏の駐韓米国大使内定撤回をめぐり、さまざまな声が出ている。その一つが、迫る韓国内の米国人避難問題をめぐりホワイトハウス核心部と意見が合わなかったという見解だ。その真偽はさておき、ワシントンの気流が「平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)までは我慢する」に流れているのは事実だ。それを象徴的に見せた場面が2つある。
10日前のハワイ太平洋司令部での韓米国防相会談。マティス長官は宋永武(ソン・ヨンム)長官に「韓米連合軍事訓練は五輪が終わればすぐに始める。規模の縮小などはない」と強調した。特に韓半島を管轄するハリス米太平洋軍司令官が最も強硬だった。この席で韓米軍事訓練の再開は事実上決定した。宋長官が2日後、「核兵器を使えば北の政権は地図からおそらく消えるだろう」と述べたのも、ハワイでハリス司令官の口から出た言葉だった。
もう一つは3週間前にバンクーバーで開催された20カ国外相会合だ。非公開で進行された会合で出席者らはマティス長官の演説にぞっとしたという。外相会合で国防長官が演壇に立つのも異例だったが、内容はさらに衝撃的だった。当時の関係者の証言だ。
「マティス長官の要点は大きく2つあった。一つは『南北対話の気運が高まっているのはOK。しかしそれはあくまでも我々の最大限の圧力とは別物だ』ということだ。もう一つは『ここの聡明な外交官がこれという代案を用意できなければ、国防相が集まって軍事カードを模索するだろう。我々は戦争の計画を持っている』ということだ」。誰を狙ったものかは明らかだ。
ペンス米副大統領が明日ソウルに来る。最大の関心事はペンス-金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長の会談が行われるかどうかだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権の中心人物は「ショーはしないがこの機会は逃さない」と話した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)も「政治的躍動性が発揮されることを望む」と述べた。なんとか会談を実現させようという意志が見える。一方、米国は断固たる態度だ。ペンス副大統領は、北朝鮮で意識不明になり帰国後に死亡したワームビア氏の父を同行させ、韓国哨戒艦「天安」追悼館に行って脱北者にも会う。どんなメッセージを伝えにくるかは明確だ。
私はこの同床異夢が「平昌以後」の足かせにならないか懸念している。北朝鮮の挑発も問題だが、アシアナチャーター機の投入、万景峰号に対する入港許可など、苦労して構築した対北制裁網の「例外」ばかり探して北朝鮮に与える韓国の行動に対する米国の不満と不信は臨界値を超えている。韓国側に一言もなくビクター・チャ氏の駐韓米国大使内定を撤回し、脱北者チ・ソンホ氏を国政演説に登場させたことを軽く見てはいけない。こうした状況で、接触を望まない米国に対し、テロ支援国代表の金永南委員長と握手をさせる屈辱を与えてはいけない。たとえ会うことになっても、ペンス副大統領の口からは韓国が望む発言ではなく、北朝鮮を刺激する発言が出てくる可能性が高い。朝米対話の突破口を開くという断片的な考えで握手を誘導する悪手を打たないことを願う。「イベント」でできることではない。
金玄基(キム・ヒョンギ)/ワシントン総局長
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