粒子状物質の警報が発令されてソウルの公共交通機関が無料化した日、世界中の空気質指数地図を示すAQI(Ari Quality Index)のサイトで中国やインド、トルコの一部地域がソウル水準の赤の警報を越え、紫、茶色に染まった。韓国の粒子状物質の主犯は中国なのに私たちがあれこれ努力しても何の意味があるのかという愚痴が出る。中国発の粒子状物質を除去するために結局「メード・イン・チャイナ」の空気清浄器を買わなければならない状態だから腹も立つ。しかし、すべてが中国のせいなのだろうか。
中国が昨年末リサイクル廃棄物の輸入を全面中断すると、毎年廃プラスチック50万トンを中国に輸出していた英国が一度大騷ぎになった。焼却や埋めたてを選択すれば環境汚染が避けられず、積んでおくには量が多すぎるからだ。結局、英国のテリーザ・メイ首相は25年以内にすべてのプラスチック・ゴミをなくすと宣言した。環境運動界では25年でなく25カ月非常計画が必要だと非難した。
先進国がきれいな空気と快適な環境を維持できたのは中国やインドのように経済成長を渇望するアジア国家に汚染を押し付けたおかげだったかもしれない。「危険の外注化」という国内の元請けと下請けだけで広がるのではない。グローバル単位でも起きる。
物流と運送を緻密に分析した本『「移動」の未来』によるとiPhoneを1台作るためにアップル社は3大陸から材料と部品を受給する。1つの部品が他の国に渡っていき他の部品とモジュールで組み立てられた後、再び中国の完成品組み立て工場に供給されたりもする。結論的に材料採掘から消費者に完成品を配送する過程まで入る運送の足跡は合計38万6000キロメートルに及ぶ。地球と月を往復する距離だ。その過程で出る二酸化炭素やホコリ、汚染物質の量を想像してみよう。
多くのグローバル企業はこのような形で物流管理を最適化して在庫負担を減らし、低開発国家の土地資源と労働力を活用し、利潤は最大化して製品単価は落とす。消費者はおかげでコストパフォーマンスの高い商品を容易に利用することができる。中国発の粒子状物質には世界各国の企業とグローバル消費者が複雑に絡み合っているわけだ。
ゴミ輸入の中断に見るように、中国は成長のために汚染と危険まで抱え込んだ戦略から徐々に抜け出しそうだ。山西省西安に100メートルの高さの世界最大空気清浄塔も建てた。
中国が自国の空気の質を心配し始めたのは韓国の国民の呼吸する権利のためにも幸いなことだ。世界の工場がもう少し遠い国に移るのをひたすら待ちながら中国ばかり見つめていなければならないのだろうか。私たちも、どれだけ持続可能なやり方で暮らしているのか、1度くらいは見直すべきではないだろうか。
イ・ギョンヒ/デジタルコンテンツラボ次長
中国が昨年末リサイクル廃棄物の輸入を全面中断すると、毎年廃プラスチック50万トンを中国に輸出していた英国が一度大騷ぎになった。焼却や埋めたてを選択すれば環境汚染が避けられず、積んでおくには量が多すぎるからだ。結局、英国のテリーザ・メイ首相は25年以内にすべてのプラスチック・ゴミをなくすと宣言した。環境運動界では25年でなく25カ月非常計画が必要だと非難した。
先進国がきれいな空気と快適な環境を維持できたのは中国やインドのように経済成長を渇望するアジア国家に汚染を押し付けたおかげだったかもしれない。「危険の外注化」という国内の元請けと下請けだけで広がるのではない。グローバル単位でも起きる。
物流と運送を緻密に分析した本『「移動」の未来』によるとiPhoneを1台作るためにアップル社は3大陸から材料と部品を受給する。1つの部品が他の国に渡っていき他の部品とモジュールで組み立てられた後、再び中国の完成品組み立て工場に供給されたりもする。結論的に材料採掘から消費者に完成品を配送する過程まで入る運送の足跡は合計38万6000キロメートルに及ぶ。地球と月を往復する距離だ。その過程で出る二酸化炭素やホコリ、汚染物質の量を想像してみよう。
多くのグローバル企業はこのような形で物流管理を最適化して在庫負担を減らし、低開発国家の土地資源と労働力を活用し、利潤は最大化して製品単価は落とす。消費者はおかげでコストパフォーマンスの高い商品を容易に利用することができる。中国発の粒子状物質には世界各国の企業とグローバル消費者が複雑に絡み合っているわけだ。
ゴミ輸入の中断に見るように、中国は成長のために汚染と危険まで抱え込んだ戦略から徐々に抜け出しそうだ。山西省西安に100メートルの高さの世界最大空気清浄塔も建てた。
中国が自国の空気の質を心配し始めたのは韓国の国民の呼吸する権利のためにも幸いなことだ。世界の工場がもう少し遠い国に移るのをひたすら待ちながら中国ばかり見つめていなければならないのだろうか。私たちも、どれだけ持続可能なやり方で暮らしているのか、1度くらいは見直すべきではないだろうか。
イ・ギョンヒ/デジタルコンテンツラボ次長
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