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【取材日記】「東京五輪は通過点だ」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

【取材日記】「東京五輪は通過点だ」

東京都千代田区九段下駅付近にある武道館競技場は来年9月から長期間の保守工事に入る。2020年東京オリンピック(五輪)を控えているからだ。1964年東京五輪直前に完工した武道館は、当時初めて五輪の正式種目として採択された柔道競技が行われた。今度は柔道と空手競技が行われる。1964年の東京と2020年の東京が武道館に共存することになるわけだ。

東京五輪は国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)によって進められる。競技場新築の最小化、64年東京五輪の際に使われていた競技場のリサイクルなどがそのような意味を込めている。「ただ一つでも良いから、2020年以降の社会を変える契機になるようなものを残したい」というのが五輪組織委の説明だ。

2018年1月現在、日本社会の時計は2020年に合わせられているような感じだ。五輪をきっかけに国力を一つにする力は恐ろしいほどだ。「東京五輪を失われた20年のデフレーションを払拭させる起爆剤にしたい」というのは安倍政府だけでない。五輪競技場の建設途中に勤労者が死亡すると「建設現場の過労死をなくす契機にする」という業界の決議が出て、喫煙者天国である東京は五輪を契機に「間接喫煙による被害をゼロ(0)にする」と宣言した。


ところで、多くの日本人は「2020年は通過点に過ぎない」と話す。すべてが2020年に向かっているが、実際にはその後を見据えているということだ。日本が人工知能(AI)と自動運転技術を東京五輪の代表商品として前面に出しているのは、日本の技術力を世界に再立証すると同時に、これらの新技術で人口減少と高齢化の危機を乗り越えるということだ。

もちろん、五輪を政治的に利用しようとするという批判がないわけではない。安倍首相が憲法改正の期限に定めた2020年が五輪の開催時点と重なる。64年の東京五輪は派手な経済成長の裏面に社会経済的格差を拡大させた原因として挙げられたりもする。だが、2020年の五輪をを通じて観光客4000万人を誘致し、東北地域の復興につなげるということから、両極化を招いた56年前の失敗を繰り返さないという意志が読まれる。

我々は三浪の末に手に入れた平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)という機会をしっかりと活用しているのだろうか。アイドルを引き込んだ平昌ダウンコートや一部の種目、特定選手に寄り添って五輪の特需を期待する水準を越えなければならない。

ユン・ソルヨン/東京特派員



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