韓国公正取引委員会の金尚祖委員長
金委員長は現代車グループの部品系列会社である現代モービスと日本トヨタの元請・下請関係を比較した。金委員長は「現代モービスは韓国自動車部品産業で最も重要な会社」とし「トヨタが実施している(先進)方式を今すぐ韓国に持ち込むことはできないが、現代車はすでにこのような問題に対する認識を十分に持っている。大企業の能力を信じている」と述べた。トヨタは2000年代に入って、強力なコスト削減を推進する一方で、部品メーカーと成果を共有した。2000年代初期、既存に比べて30%のコスト削減を推進する「CCC21」運動を行いながら、部品メーカーにはコスト削減によって得た収益を還元した事例が代表的だ。トヨタ関係者は「原価企画段階から共同作業を進めたので、元請・下請ともにコストの削減を共有している」とし「コスト削減で得た収益に寄与した分、協力企業にも取り分があると考えている」と述べた。トヨタの事例は韓国でもSKハイニックスやポスコが実施中の「成果共有制」の原形モデルでもある。
「需要独占」との批判を受ける韓国の大企業とは違い、部品メーカーに専属取引関係を強要しないこともトヨタの特徴だ。1949年、トヨタの部品事業部から独立したDENSO(デンソー)は、現在、全体生産量の50%以上をトヨタ以外の自動車メーカーに供給している。持株はトヨタが24.5%を保有しているが、年間売上高361億8000万ドル(約4兆771億円)規模の世界4大自動車部品メーカーの一つに成長した。現代モービス(約3兆2357億円)とは売上高の差が約8400億円になる。
だが、トヨタもやはり支配構造においてそれほど自由ではない。相互出資・循環出資で系列会社間の持株関係が形成されているためだ。トヨタ自動車を中心に豊田自動織機、部品メーカーのデンソーやアイシン、東和不動産など各種系列会社が複雑に絡み合っている。金委員長は循環出資に関しては反対の立場を明確に打ち出している。昨年6月の公取委員長任命直後、「循環出資で架空資本を作るのは会社法の基本原理に反する手段」としながら「循環出資は解消しなければならないという当為論的原則はあまりにも明らかだ」と強調した。(中央SUNDAY第564号)
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