北核危機を題材に2冊の長編小説『米中戦争』を出版した小説家、金辰明さん。戦争寸前まで達している韓半島(朝鮮半島)の状況を迫力のある流れで描いた。
長編小説『米中戦争』
--出版の時期をよく合わせたようだ。
「実際、ちょっと遅れた感がある。1993年、小説『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』以降、ずっと北核問題、韓米関係、中国の台頭、このような問題を考えてきた。北核問題が単に米国が北朝鮮を先制攻撃しようとするということであれば、解決があまり難しくない。問題は米国は弾丸が一発しか残っていないが、それを北朝鮮に使ってしまえば本当のターゲットである中国には使うことがないという点だ。米国にとって北核は中国と戦争を行うための導火線に過ぎない。このような本質を分かれば、政府の北核危機に対する対応が一層簡単になるだろう。今回の小説は読者だけを念頭に置いた作品ではない。政府、政治家たちに北核危機の解決法を提示したかった」
--小説の設定がどれほど事実に合致するのか。
「私は20年以上北核問題を考えてきた。私が正確に見ていると考える」
--たとえば、米国の巨富一族で構成された8人会が実際に存在する組織なのか。
「世界の上位1%の金持ちが残りの人々を合わせたより多くの財産を持っているというのではないか。彼らが規則とルールに従えば、財産を守ることができないだろう。そのような少数の考えや行動は一般の人たちが想像することができない。彼らに『8人会』という名前を付けた。必ずしも8族ではないかもしれない」
--8人会が米国の大統領選前に候補らの面接をしたという内容も小説に入っている。
「政治は結局、お金ではないだろうか。直接的に政治資金を提供するのもあるだろうが、単に目に見える資金ではなく、とても奥深く現実政治に影響を及ぼす可能性もある。たとえば、トランプ氏が特検に追い込まれて政治的に危機に直面する場合、どれほど多い政治家がトランプ氏の軍配をあげるのかがカギだ。巨額の政治資金を提供できる大物は有力政治家たちと利益を共有する関係だ」
【BOOK】「北核は言い訳、米国は中国との戦争を望む」(2)
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