【コラム】韓国で大麻のにおいがしない野外公演を見て驚いた理由
イタリアで2016年に実施された調査によると、満15~34歳の回答者のうち19%が「過去1年間に一回でも大麻を使用したことがある」と答えた。2008年からイタリアの麻薬使用率が下降の一途をたどっているが、麻薬使用と密売による社会問題は絶えず発生している。麻薬に酔った状態でハンドルを握る人々がいて、有毒性化学物質が混ざった麻薬を使って神経にダメージを受ける人もいる。麻薬を買うために窃盗にまで手を染める。昨年、イタリア政府は麻薬の密輸根絶、犯罪者の拘束、法律処理などのために国内総生産(GDP)の1.8%を支出した。国民1人あたり年間715ユーロ(約 9万6000万円)を負担していることになる。
麻薬を完全に合法化すれば密輸を根絶でき、中毒者などを病院や保健所でもっと安全に管理することができ、追加的な税金収益を期待することができるという主張がある。反面、麻薬合法化は新たな麻薬使用者を生んでしまうため、麻薬使用を完全に禁止して麻薬関連処罰を強化しなければならないという主張もある。両側が鋭く対立する中で中間的な立場を取っている国民も多い。
私が麻薬に接しやすい欧州に住みながらも麻薬に手を出さなかったのは健康ためではなかった。週末になって友人と遊びに繰り出す時、麻薬をしている友人の最大の心配は「麻薬をどうやって手に入れるか」だった。彼らはどこへ行っても麻薬の入手策から探した。私は麻薬を使わなくては遊ぶことも、人生を楽しむこともできないそのような姿を見て残念に思った。だが、私は法律の枠内で麻薬使用者の選択と自由を尊重しなければならないという立場だった。
韓国にきた後、考えが変わった。麻薬を法で強く規制するほうがいいかもしれない。自由の保障と尊重が人類の普遍価値ではあるが、私たちが何かの中毒になればその自由そのものが潰えてしまうからだ。
アルベルト・モンディ/イタリア人・JTBC『非首脳会談』元出演者
この記事を読んで…