米国が韓半島（朝鮮半島）で対北朝鮮軍事オプションのためのすべての軍事訓練を終えた中、北朝鮮に対して最後通牒とも解釈される措置に入った。韓米は先週、最大規模の連合空軍訓練を終えた。韓半島（朝鮮半島）に集結した空母３隻も海上訓練後、しばらく休息中だ。もう北朝鮮の核・ミサイル危機は４番目の危機の峰であるクライマックスに向かっている。北朝鮮が最後まで対話に出てこなければ、米国は武力衝突を引き起こしかねない軍事オプションの海洋遮断に入る兆候が表れている。

米国の北朝鮮に対する最後通牒性のメッセージは米国務省とホワイトハウスからほぼ同時に出てきた。一見、対話の窓を開いたように思われるが、よく見ると間違いなく最後通牒のメッセージだ。ティラーソン米国務長官は１２日、アトランティック・カウンシル主催の討論会で「我々は前提条件なしに北朝鮮と対話をする用意がある」と述べた。その間、中国が米国と北朝鮮に条件のない対話をするよう要求してきたように、ティラーソン長官が北朝鮮に対話を要請した。マクマスター米大統領補佐官（国家安全保障問題担当）はワシントンで開かれた英シンクタンク「ポリシーエクスチェンジ」主催の行事で「今が（北朝鮮との）武力衝突を避ける最後の最高の機会」と述べた。これにサンダース米大統領報道官は１４日、「トランプ大統領の（北朝鮮非核化）見解は変わっていない」と一線を画した。結局、ティラーソン国務長官が最後の対話の余地を北朝鮮に投げかけた後、ホワイトハウスは北朝鮮非核化の意志を改めて明らかにし、マクマスター補佐官は「北朝鮮との武力衝突を避けるための時間はいくらも残っていない」という趣旨の言葉で、北朝鮮に対して最後の機会であることを通知したのだ。

ここでマクマスター補佐官のその後の言葉に注目する必要がある。マクマスター補佐官は「精製燃料製品が（公海で）船から船へと（北朝鮮に）伝えられているが、ここに関与した企業は最も過酷な経済的制裁に直面するだろう」と警告した。国際法専門家のイ・チャンウィ・ソウル市立大教授（法学専門大学院）は「北が対話に出てこなければ米国は自衛権レベルで北に対する海洋遮断を実施する可能性がある」と述べた。米国の対北朝鮮海洋遮断は重要な軍事オプションの一つだ。これに対し北朝鮮は「海上封鎖は宣戦布告」とし「無慈悲に対応する」と述べている。米国と友好的な国連加盟国が北朝鮮に対して海洋遮断または海上封鎖を施行する過程で衝突が避けられないからだ。海洋遮断のためには米海軍艦艇、海上ヘリコプター、特殊部隊などを投入し、ひとまず北朝鮮の船を掌握する。ところが北朝鮮船舶にはほとんどが武装要員が乗船していて、対応する場合は交戦が避けられない。この過程で死傷者が発生する可能性がある。北朝鮮が北側要員の被害を口実に挑発すれば局地戦に発展し、これは米国の対北朝鮮先制攻撃につながることも考えられる。


北朝鮮に対する海洋遮断（Ｍａｒｉｔｉｍｅ　Ｉｎｔｅｒｄｉｃｔｉｏｎ）は一般的に認識されている海上封鎖（Ｎａｖａｌ　Ｂｌｏｃｋａｄｅ）より消極的な措置だ。海上封鎖は戦時に敵国に出入りするすべての船を遮断する。１７９３年にフランスが英国に宣戦布告してからナポレオンが没落するまで、英国海軍がフランスに海上封鎖を実施した。第１次世界大戦当時は連合国がドイツの海上を封鎖すると、ドイツがこれを打開するために潜水艦で無制限作戦を敢行した。１９６２年には米国がキューバに海上封鎖を実施した。敵国を枯死させる作戦だ。しかし海洋遮断は不法物品の運送が疑われる船を検査する行為だ。米国の海洋遮断作戦（ＭＩＯ）は１９９１－２００３年にイラクに対して実施された。当時、米国はペルシア湾を通じてイラクに出入りする約３０００隻の不審な船を調べた。



＜Ｍｒ．ミリタリー＞米国の対北最後通牒、次は海上遮断と先制攻撃（２）