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近づく韓中首脳会談、THAADをめぐる溝は埋まらず

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の中国国賓訪問が近づいている中で、韓国と中国の高高度ミサイル防衛(THAAD)体系をめぐる溝が埋まっていない。

これを受け、韓中首脳会談で共同声明の採択と共同記者会見が不発に終わる可能性が大きくなっていると複数の北京の外交消息筋が匿名を前提に10日、明らかにした。

文大統領は13日から3泊4日間の日程で中国を国賓訪問する間、中国の習近平国家主席と会談する。多国間会議を機に1~2回にわたる会談を除けば、文大統領就任以来二国間訪問で行われる初めての韓中首脳会談だ。


消息筋によると、首脳会談調整の過程で韓国当局はTHAAD問題はすでに「封印」されただけに共同声明から外したいという立場を伝えた。だが、中国側は共同声明を発表する場合、THAADに関する自国の基本的な立場を明確に明らかにしないわけにはいかないという態度で一貫した。匿名を求めた北京の外交消息筋は「両国のこのような立場の違いによって共同声明を発表しないことで意見が調整されている」と話した。

韓中関係で国賓訪問を通じて行われる首脳会談後に共同声明を採択しないのは異例的だ。2013~2014年二国間訪問を契機に行われた朴槿恵(パク・クネ)前大統領と習近平主席の2回にわたる首脳会談でも毎度共同声明が発表されたことがある。

もう一人の消息筋は「まだ数日が残っているが、今度は会談後に各自発表文を出す可能性が大きい」とし「先月、ドナルド・トランプ米大統領の訪中の際にも共同声明を出さなかった前例がある」と説明した。中国側は自国の発表文にTHAAD反対の立場を再確認すると予想される。

共同声明だけでなく、共同記者会見も省かれる可能性が大きい。中国外交部は7日、文大統領の訪中を公式発表して内外信記者を対象に歓迎式の取材を受け付けると告知した。だが、通常の正常訪問と違い、共同記者会見の参加申請は受け付けなかった。これに対して中国外交部関係者は「予定にないため」と答えた。これもTHAAD問題に対する立場の違いのためだと分析されている。共同声明と記者会見の省略は韓中両国がTHAAD対立を解決していく過程でTHAAD問題に対する異見を最大限露出させないようにする布石と見られる。

しかし、会談場でTHAAD問題が議論されないという保障はない。王毅中国外交部長は9日、ある行事で「文在寅政府発足以降、THAAD体系を追加配備せず、米国のミサイル防衛(MD)に加入せず、韓日米軍事同盟に発展しないという重要な立場を対外的に表明した」として韓国の「3不の立場」を再度取り上げた。また「文在寅政府発足以降、韓国が中国に友好的協力政策を展開してTHAADの段階的処理に合意した」と主張した。

先週、北京を訪問して中国外交部および安全部傘下のシンクタンクに相次ぎ接触した世宗(セジョン)研究所関係者は「中国側がTHAAD問題を首脳会談で再び提起するだろうという立場を明らかにした」とし「彼らの立場を政府にも伝えた」と明らかにした。北京の外交消息筋は「習主席がTHAADを取り上げる場合、これを防ぐ方法がない」と話した。韓国政府は文大統領の訪中でTHAAD問題をめぐる議論は最小化し、韓中関係の改善に対する実質的成果を上げることに注力している。

北京の消息筋は「今回の首脳会談の最も大きな意味は両国首脳が関係改善の立場を明らかにし、そのような雰囲気を対内外に見せることにある」と話した。彼は「今回の会談に臨む中国側の雰囲気が盛り上がってはいないが、冷え込んでいるわけでもない」とし「THAAD問題に対する立場の違いが残っているが、文大統領の訪中で両国関係の改善への動きが一層加速化するものと期待している」と話した。



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