平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)を南北関係改善の契機にするという文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「平昌構想」には前提があった。北朝鮮の高強度挑発による緊張局面が作られなければ可能性だということだった。29日、北朝鮮の弾道ミサイル「火星15」発射はこのような前提自体を崩した。政府の平昌構想も修正が必要になる見通しだ。
北朝鮮は75日間、挑発を止めた理由について何も明らかにしていない。習近平中国国家主席の特使を受け入れるなど、かつてとは異なる態度を見せながら期待感を高めたりした。
北朝鮮の挑発中断が続き、高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備問題でどん底に陥っていた韓中関係が回復の兆しを見せ、文大統領の平昌構想も説得力が増すようだった。学界を中心に中国が提案した双中断(北朝鮮の核・ミサイル挑発と韓米合同軍事演習を同時に暫定中断)も再び浮上した。
意図とは関係なく、北朝鮮が挑発を継続しない場合、韓米合同演習を延期すれば平昌冬季五輪を契機に「結果的双中断」が可能になり、これを契機に南北対話を試みる価値はあるという論理だった。実際の政府は国連で採択された「休戦決議案」を根拠に韓米合同演習の日程を調整し、五輪期間の間には演習を一時中断する案も検討中だった。ロシアのイーゴリ・モルグロフ外務次官は訪韓中だった27日「北朝鮮にすでに双中断を提案し、9~10月の2カ月間(事実上)その体制の範囲内で行動している。これを受け、新しいミサイル実験をしていない」と肯定的に評価した。
だが、北朝鮮はこのような国際社会の期待をあざ笑うかのように米ワシントンまで射程距離に入れる火星15を発射した。北朝鮮は「朝鮮民主主義人民共和国政府声明」を通じて火星15に対して「米本土全域を打撃できる超大型重量級核弾頭の装着が可能な大陸間弾道ロケット」とし「我々が目標にしたロケット兵器体系の開発の完成段階に到達した」と主張した。
文大統領が自ら引いたレッドラインは「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成し、そこに核弾頭を搭載して武器化すること」(8月記者会見)だった。北朝鮮の主張が事実であれば、レッドラインをすでに超えたとも見られる。政府当局者は「北朝鮮はどうにかしてでも核とICBMを手に握った後、対米交渉力を高めた状態でテーブルに座るという意図を計画通りに実行している」と話した。
政府内の雰囲気はまだ平昌構想の動力が完全に消えていないと見る雰囲気が強い。だが、北朝鮮がレッドラインを自由に超えている状況で、平昌冬季五輪を契機にした北朝鮮との関係改善に傍点をつけるのは国際社会の対北朝鮮連携から離脱するかのような姿に見られるかもしれないという懸念の声が出ている。
牙山(アサン)政策研究院のチャ・ドゥヒョン客員研究委員は「平昌冬季五輪はもちろん重要だ。だが、1~2カ月以内に状況を進展させることにこだわれば、さらに状況を複雑にさせる可能性がある」とし「今後の一定期間は制裁と圧力に集中して北朝鮮の戦略的計算を完全に変える方向に向かうべきだ」と指摘した。
北朝鮮は75日間、挑発を止めた理由について何も明らかにしていない。習近平中国国家主席の特使を受け入れるなど、かつてとは異なる態度を見せながら期待感を高めたりした。
北朝鮮の挑発中断が続き、高高度ミサイル防衛(THAAD)体系配備問題でどん底に陥っていた韓中関係が回復の兆しを見せ、文大統領の平昌構想も説得力が増すようだった。学界を中心に中国が提案した双中断(北朝鮮の核・ミサイル挑発と韓米合同軍事演習を同時に暫定中断)も再び浮上した。
意図とは関係なく、北朝鮮が挑発を継続しない場合、韓米合同演習を延期すれば平昌冬季五輪を契機に「結果的双中断」が可能になり、これを契機に南北対話を試みる価値はあるという論理だった。実際の政府は国連で採択された「休戦決議案」を根拠に韓米合同演習の日程を調整し、五輪期間の間には演習を一時中断する案も検討中だった。ロシアのイーゴリ・モルグロフ外務次官は訪韓中だった27日「北朝鮮にすでに双中断を提案し、9~10月の2カ月間(事実上)その体制の範囲内で行動している。これを受け、新しいミサイル実験をしていない」と肯定的に評価した。
だが、北朝鮮はこのような国際社会の期待をあざ笑うかのように米ワシントンまで射程距離に入れる火星15を発射した。北朝鮮は「朝鮮民主主義人民共和国政府声明」を通じて火星15に対して「米本土全域を打撃できる超大型重量級核弾頭の装着が可能な大陸間弾道ロケット」とし「我々が目標にしたロケット兵器体系の開発の完成段階に到達した」と主張した。
文大統領が自ら引いたレッドラインは「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成し、そこに核弾頭を搭載して武器化すること」(8月記者会見)だった。北朝鮮の主張が事実であれば、レッドラインをすでに超えたとも見られる。政府当局者は「北朝鮮はどうにかしてでも核とICBMを手に握った後、対米交渉力を高めた状態でテーブルに座るという意図を計画通りに実行している」と話した。
政府内の雰囲気はまだ平昌構想の動力が完全に消えていないと見る雰囲気が強い。だが、北朝鮮がレッドラインを自由に超えている状況で、平昌冬季五輪を契機にした北朝鮮との関係改善に傍点をつけるのは国際社会の対北朝鮮連携から離脱するかのような姿に見られるかもしれないという懸念の声が出ている。
牙山(アサン)政策研究院のチャ・ドゥヒョン客員研究委員は「平昌冬季五輪はもちろん重要だ。だが、1~2カ月以内に状況を進展させることにこだわれば、さらに状況を複雑にさせる可能性がある」とし「今後の一定期間は制裁と圧力に集中して北朝鮮の戦略的計算を完全に変える方向に向かうべきだ」と指摘した。
この記事を読んで…