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北朝鮮の休戦協定犯、平昌五輪参加の変数に

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮兵士の亡命と銃撃事件は13日午後3時15分に発生した。板門店(パンムンジョム)JSA警備大隊はこの日午後3時33分に状況報告を受け、1分後に青瓦台(チョンワデ、大統領府)、国防部、合同参謀本部などに伝えた。警備大隊は2分後の午後3時35分に現場に出動した。合同参謀部のソ・ウク作戦本部長はこの日国会国防委員会に出席し、「合同参謀本部で規定している『緊急状況報告』に該当する場合、(事件発生から)15分以内に(上部に)報告するようになっている」と説明した。

「緊急状況」と判断したという意味だ。青瓦台関係者は「軍の状況報告は国内にいる鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長にすぐ報告され、鄭室長は状況をさらに把握した後大統領に報告した」と伝えた。状況報告と別に合同参謀本部は午後3時45分に状況評価会議を開きKF-16戦闘機を急派するなどの措置を取った。軍当局は南北の休戦協定違反の有無を監視する軍事停戦委員会にも午後3時48分に状況を通知した。

だが合同参謀本部がKF-16戦闘機を急派した時間は事件発生した午後3時15分から30分が過ぎた後で、国防委員会で出遅れた対応だとの批判を受けた。無所属の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)議員は「最近のように敵の威嚇が高度化している時期に報告されても15~20分過ぎた後に措置がなされた点は理解できない」と指摘した。国防委員長である自由韓国党の金栄宇(キム・ヨンウ)議員は「トランプ米大統領が(8日午前に)JSAを訪問しようとして行けなかったが、万一その日こういう事件があったとしたら途轍もない事件に飛び火する可能性があった。今回の事件を契機に綿密に対備態勢を備えてほしい」と求めた。


これに対しソ・ウク作戦本部長は「状況報告が少し遅れたのは事実」と答えた。

事件当時、韓国軍は亡命兵士を狙ってAK小銃40発を発射した北朝鮮軍に応戦しなかった。2010年11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦後に軍当局は「撃つかどうか尋ねず現場で状況を終結した後で報告せよ」という指針を下した状態だった。これに対し野党議員は南北関係悪化を懸念して軍が低水準の対応をしたのではないかと指摘した。自由韓国党の李種明(イ・ジョンミョン)議員は「敵が射撃を加えているのに韓国軍は監視だけしていた。この部分をどのように理解すればいいのかわからない」とした。

これに対し「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)議員は「韓国側に死傷者が発生する可能性があり、交戦に拡大しかねない状況だった」としてかばった。

実際に韓国政府当局は今回の「銃傷亡命事件」が今後の南北関係の伏兵にならないか懸念している。韓国政府が来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪に北朝鮮が参加するよう総力戦に出ている状況で北朝鮮の休戦協定違反問題が突発変数として作用しかねないためだ。休戦協定上、JSAでは北朝鮮が亡命兵士に向かって照準射撃したAK小銃を搬入できない。だが韓国軍はもちろん軍事停戦委員会も拡声器以外には北朝鮮に抗議や再発防止を要求できる方法がない。

何より今回の事件と関連した北朝鮮の反応も関心事だ。亡命事件から丸1日が過ぎたが何の反応もない。

韓国政府当局者は「今回の亡命事件を拡大しないようにするようだ。しかし『犯罪人なので送還せよ』という形の攻勢に出る可能性もあり注視している」と話した。



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