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JSAで銃撃されても米軍用ヘリで民間病院に行かなければならない国=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「米国は大統領も海軍病院で治療を受ける。韓国は銃で負傷して亡命した北朝鮮兵士が軍ではなく民間医療機関に搬送された。ナンセンスだ」。

14日にソウルのある医科大学学長は韓国軍の医療の現実を指摘した。13日に銃によって負傷し板門店(パンムンジョム)の共同警備区域(JSA)を通じて亡命した北朝鮮兵士は京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)の亜洲(アジュ)大学病院で治療を受けている。事件の経緯とは別に北朝鮮兵士を民間で治療する状況をいぶかしがる市民も少なくない。合同参謀本部関係者は「現場で患者の状況などさまざまなことを考慮して最も適切な治療を受けられる所に移すことになる」と説明した。

韓国軍は西部戦線で発生した銃器と爆発事故の場合、この病院のイ・グクチョン教授に依頼する業務協約(MOU)を結んでいる。ここには2種類の脈絡がある。城南市盆唐(ソンナムシ・プンダン)の国軍首都病院に重症外傷センターがないのがそのひとつだ。国防部は「2013~2017年軍保健医療発展計画」で2015年までに重症外傷センターを設置することにしたが、予算と実益議論の中で遅れている。2015年8月に北朝鮮の木箱地雷挑発事件の際に負傷した軍人が国軍首都病院に緊急搬送されたが盆唐ソウル大学病院に移されて手術を受けたりもした。そうする間に軍の医療に対する信頼度はさらに低くなった。


もうひとつの脈絡はイ・グクチョン教授だ。亜洲大学病院重症外傷特性化センター長である彼はこの分野の最高権威だ。2011年にソマリアの海賊に拉致された三湖(サムホ)ジュエリー号のソク・ヘギュン船長の銃傷を治療して話題になった。彼は重症外傷センターの土台を築いたという評価を受けている。亜洲大学病院側はイ教授が治療している北朝鮮兵士の状態と関連し、「今後10日間が峠だ。傷ついた臓器が汚染された。出血が激しい状態で手術し抗生剤を多く投与した状態だ」と話した。続けて「患者は20代と推定され、胸と腹の銃傷3カ所のうち1カ所が致命的に貫通した。命に別状はないと安易に話せる段階ではない」と付け加えた。

亜洲大学病院の別の関係者は「時速300キロメートルでKTXより速く搬送して応急措置をしなかったら北朝鮮兵士は病院到着前に死亡していたかも知れない」と話した。国連管轄の事故なので米軍の義務搬送チーム(ダストオフ)のブラックホークヘリが速やかに移送して応急措置ができた。病院関係者は「韓国軍には期待しにくい措置だ。外傷センターなどのハードウェアを作るのに先立ち患者を助けられる迅速さと実践能力が急務だ」と指摘した。

軍で発生した重傷を民間で治療する現実はテロなど安保次元の問題になる可能性もある。大韓医師協会のキム・ロククォン常勤副会長(元国軍医務司令官)は「軍の特性上、訓練や作戦中に銃により負傷したり大きな外傷を受けるケースが多いので軍専用の重症外傷センターが必要だ」と話した。続けて「外傷センターは赤字を出すほかない施設のため運営費問題を解決することも重要だ」と付け加えた。



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