今月7日、退社時間を前に韓国観光公社広報室が慌ただしくなった。限韓令以降、初めて大規模な中国団体旅行客(游客)3000人が来月末に訪韓するという便りがあるメディアを通じて伝えられたためだ。「まだ中国側からの反応はない」としていた観光公社は思いがけない朗報にすぐに確認に動いた。
しかしその30分後、ただのハプニングとして一段落した。中国支社を通じて確認してみると、当事者の中国側企業から「そのような計画はない」という回答が返ってきた。ウワサの震源地は中国河南省に本社を置く医療機器企業。同社はことし3月の「1万2000人訪韓説」の主人公でもあった。
業界が推定しているウワサの生産・流通過程は次の通り。通常、大規模なインセンティブ(企業が褒賞目的で職員に提供する旅行)は中間にエージェンシーを介している。事実上、ブローカーに近い。ブローカーは数千人規模という頭数を武器に各国に色目を使う。「3000人連れて行ったら何をしてくれるのか」というふうにだ。提案を受けた旅行会社やホテルなど旅行業界と地方自治体は団体客を誘致するためにさまざまなサービスを準備する。
何枚かのカードを握ったブローカーは終盤まで天秤にかけながら最も良い条件を提示するほうを旅行先に選ぶ。実際、韓国の場合、地方自治体が団体旅行客1人あたり1万~2万ウォン(約1020円~2040円)の誘致インセンティブを旅行会社に支払っている。
ブローカーが法外な要求をしてくる場合もある。業界によると、この春に立ち消えになった同社の訪韓条件には「晩餐にVIP(大統領)を招待してほしい」という要請もあった。昨年、大きな話題を呼んだ数千人規模の「チメク游客」も、実は月夜の蟹だったという。匿名を求めた五つ星級ホテル関係者のAさんは「旅行会社から1泊につき5万ウォンにしてくれれば宿泊するという提案を受けた」と話した。結局、この団体は3万~4万ウォン台ホテルに宿泊したという。
韓国旅行市場は中国人にとって依然と魅力的だ。免税店などショッピング部門で明らかな競争力を持っているためだ。しかし中国は私たちよりも慎重だ。両国が「韓中関係改善」を発表した先月31日、中国に飛んで1週間にわたって現地の旅行会社・航空会社の関係者に会ってきた韓国のある旅行会社関係者は「彼らも私たちのように首を長くして待っているのは同じ」とし「韓国の動きを注視している」と話した。
限韓令が下されたことし3月以降、中国人観光客は昨年同期比300万人以上減った。韓国観光公社は中国人観光客は年末まで合算して約400万人で、昨年の半数になると予想した。
数字だけ見ると中国人観光客が本格的に韓国に入ってくる前の2013年と同じ水準だ。旅行業界は中国人観光客数がそっくり抜け落ちた「400万人」がかえって機会になると考えている。“ぜい肉”が落ちた現在の状況が、観光業界の体質改善のための良いタイミングなるという意味だ。
折しも業界には自浄の動きもある。済州(チェジュ)観光協会は6日、ダンピング商品や無資格ガイド、「人頭税」禁止などの自浄案を打ち出した。人頭税は中国人観光客を誘致するために中国現地の旅行会社に支払う料金で、低価格ダンピング商品の温床になっていた。韓国観光公社も8日、「コリアラグジュアリートラベルマート」を開き、韓屋ホテル、名人公演などラグジュアリー旅行コンテンツの開発に乗り出した。
それにもかかわらず、現実は思うようには動かない。漢陽大観光学部のイ・ヨンテク教授は「中国団体旅行客がまた来るといっても、これまでの慣行はかえって深刻化する可能性が高い」として「その間、韓国側が飢えていたため」と述べた。
しかしその30分後、ただのハプニングとして一段落した。中国支社を通じて確認してみると、当事者の中国側企業から「そのような計画はない」という回答が返ってきた。ウワサの震源地は中国河南省に本社を置く医療機器企業。同社はことし3月の「1万2000人訪韓説」の主人公でもあった。
業界が推定しているウワサの生産・流通過程は次の通り。通常、大規模なインセンティブ(企業が褒賞目的で職員に提供する旅行)は中間にエージェンシーを介している。事実上、ブローカーに近い。ブローカーは数千人規模という頭数を武器に各国に色目を使う。「3000人連れて行ったら何をしてくれるのか」というふうにだ。提案を受けた旅行会社やホテルなど旅行業界と地方自治体は団体客を誘致するためにさまざまなサービスを準備する。
何枚かのカードを握ったブローカーは終盤まで天秤にかけながら最も良い条件を提示するほうを旅行先に選ぶ。実際、韓国の場合、地方自治体が団体旅行客1人あたり1万~2万ウォン(約1020円~2040円)の誘致インセンティブを旅行会社に支払っている。
ブローカーが法外な要求をしてくる場合もある。業界によると、この春に立ち消えになった同社の訪韓条件には「晩餐にVIP(大統領)を招待してほしい」という要請もあった。昨年、大きな話題を呼んだ数千人規模の「チメク游客」も、実は月夜の蟹だったという。匿名を求めた五つ星級ホテル関係者のAさんは「旅行会社から1泊につき5万ウォンにしてくれれば宿泊するという提案を受けた」と話した。結局、この団体は3万~4万ウォン台ホテルに宿泊したという。
韓国旅行市場は中国人にとって依然と魅力的だ。免税店などショッピング部門で明らかな競争力を持っているためだ。しかし中国は私たちよりも慎重だ。両国が「韓中関係改善」を発表した先月31日、中国に飛んで1週間にわたって現地の旅行会社・航空会社の関係者に会ってきた韓国のある旅行会社関係者は「彼らも私たちのように首を長くして待っているのは同じ」とし「韓国の動きを注視している」と話した。
限韓令が下されたことし3月以降、中国人観光客は昨年同期比300万人以上減った。韓国観光公社は中国人観光客は年末まで合算して約400万人で、昨年の半数になると予想した。
数字だけ見ると中国人観光客が本格的に韓国に入ってくる前の2013年と同じ水準だ。旅行業界は中国人観光客数がそっくり抜け落ちた「400万人」がかえって機会になると考えている。“ぜい肉”が落ちた現在の状況が、観光業界の体質改善のための良いタイミングなるという意味だ。
折しも業界には自浄の動きもある。済州(チェジュ)観光協会は6日、ダンピング商品や無資格ガイド、「人頭税」禁止などの自浄案を打ち出した。人頭税は中国人観光客を誘致するために中国現地の旅行会社に支払う料金で、低価格ダンピング商品の温床になっていた。韓国観光公社も8日、「コリアラグジュアリートラベルマート」を開き、韓屋ホテル、名人公演などラグジュアリー旅行コンテンツの開発に乗り出した。
それにもかかわらず、現実は思うようには動かない。漢陽大観光学部のイ・ヨンテク教授は「中国団体旅行客がまた来るといっても、これまでの慣行はかえって深刻化する可能性が高い」として「その間、韓国側が飢えていたため」と述べた。
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