青瓦台（チョンワデ、大統領府）が５日、トランプ米大統領の国賓訪韓を控え、「国民のみなさんが心を一つにして温かくトランプ大統領を歓迎してほしい」というメッセージを出した。市民団体を中心にデモ、特に反米デモが急増するという懸念のためだ。

青瓦台の朴洙賢（パク・スヒョン）報道官はこの日、トランプ大統領の７、８日の訪韓に関連し、「政府はトランプ大統領を国賓として礼遇して温かく迎えることで、韓米関係を包括的な同盟を越えて『偉大な同盟』へと進む決定的な契機にしようと考えている。国民も韓国政府を信じてほしい。多くの声援をお願いする」と述べながらだ。

朴報道官は「北の核・ミサイルなど韓半島（朝鮮半島）の安保の現実が非常に厳しく、韓米間の政治・経済・軍事的側面での包括的協力がいつよりも重要な時期」とし「これが２５年ぶりに実現する米国大統領の国賓訪問に込められた意味であり、これは最終的に韓半島の平和と繁栄をもたらすだろう」と述べた。続いて「客を歓待するのは代々続いてきた我々の伝統であり、これを通じて米国と我々が強固な同盟であることを確認できるはず」とも語った。


青瓦台の異例のメッセージは「反トランプデモ」を予告した市民団体と民主党に対する自制の要請だ。青瓦台の関係者は「この要請はトランプ大統領に対する賛成と反対の陣営すべてに該当する」と述べたが、「トランプ大統領の訪韓反対デモに対する懸念の声も込められている」とも話した。続いて「米国大統領の国賓訪問時に警護上の危害要素があってはならず、外交的な問題を作ってもいけない。国賓に対する礼遇」とし「行政安全部が高いレベルの警護対策を発表することになるだろう」と伝えた。

トランプ大統領の訪韓２日間、ソウルだけで１０９件の集会が申告された。警察はこのうち２８件を制限し、２件に禁止を通告した。２０１４年のオバマ前米大統領の訪韓当時は禁止がなかった。反米集会は韓国進歩連帯・全国民主労働組合総連盟（民主労総）など２２０余りの団体が集まった「ノー（ＮＯ）トランプ共同行動」（共同行動）が主導する。これら団体は４日、「韓半島を脅かし、軍事圧力と制裁を拡大する首脳会談は正しくない」と主張した。韓米首脳会談日の７日には午前１１時に記者会見を始め、午後６時まで青瓦台近隣で集会を開く。午後７時からは光化門（クァンファムン）広場でろうそく集会を開き、トランプ大統領の宿舎まで行進する計画だ。国会演説日の８日には国会近隣集会が続く。

親朴・保守団体からなる「朴槿恵（パク・クネ）大統領無罪釈放署名運動本部」も７日、青瓦台近隣の清雲孝子洞（チョンウンヒョジャドン）住民センターの前で「トランプ大統領歓迎太極旗集会」を開く。大韓愛国党も韓国プレスセンターに集まり「トランプ米大統領国賓訪韓歓迎太極旗集会」を開く計画だと明らかにした。

警察は７、８日、ソウル地域に最高レベルの非常令の「甲号非常」を出し、非常勤務態勢を維持する。警察の関係者は「一部の進歩・保守団体が開催する予定の集会に関連し、合法的な意思表明は保障するものの警護の安全を脅かす行為には厳正に対応する方針」と述べた。

これとは別に、トランプ大統領の国会演説では民主党議員２人の行動も注目される。民主党はすでに国会の周辺に「戦争と嫌悪を扇動するトランプの国会演説に反対する」と書かれた横断幕を設置している。民主党には過去の統合進歩党に属する人たちが含まれている。