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【社説】歓迎するが心地悪い韓中THAAD対立の解決

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
高高度ミサイル防衛(THAAD)体系の配備をめぐる韓中対立が解決の段階に入った。両国の外交部は昨日、共同で韓中がすべての分野における交流協力を早急に正常な発展軌道に回復させることで合意したと発表した。1年4カ月間の両国関係に深い傷をつけたTHAAD摩擦が解決の手続きに入ったわけだ。10日後には文在寅(ムン・ジェイン)大統領と習近平中国国家主席がアジア太平洋経済協力(APEC))首脳会議が開かれるベトナムで首脳会談を開いて両国関係の正常化に向けた一歩踏み出す見通しだ。

THAAD対立の解決は朗報だ。幸いなことであり、歓迎したい。中国の無差別なTHAAD報復のせいで途方もない困難を強いられていた韓国企業がもはや背筋を伸ばすことができるようになった。北核問題に関連して中国のより建設的な協力を期待することができるようになったのも成果だ。しかし、一方では心地が良くない。両国の合意結果を見ると、ただ両手を挙げて歓迎できるわけではないと考えるからだ。

まず、韓国経済に甚大な打撃を与えた中国のTHAAD報復に対して再発防止や遺憾表明一言も聞くことができなかった。さらに、深刻なのは韓国の安保主権が傷ついたと言われるほど敏感な安保懸案に対してとても多くのことを中国に約束したわけだ。しかも口約束でない文書形式だ。大きく4つだ。THAADは中国を狙ったものではない、THAADの追加配備はない、(米国主導の)ミサイル防衛(MD)システムに参加しない、韓日米安保協力が軍事同盟に発展しないというなどがそれだ。THAADは北核に備えたものであり、中国をターゲットにしたものでないという最初の内容を除いてはいずれも問題の余地がある懸案だ。


北核の高度化によりTHAAD砲台がさらに必要になる可能性もあり、MD体制に参加するかどうかや韓日米の安保協力の発展方向などは韓半島(朝鮮半島)情勢によっていつでも変わる可能性がある可変的な性質を持つが、このような重要安保事項に対して今後そのようなことはあるまいと中国に突然約束するのが正しいかということだ。特に、文大統領が6月米国訪問と7月ドイツでの20カ国・地域(G20)首脳会議の参加の際、「韓日米の安保協力発展」を約束したことがあり、つじつまが合わない側面がある。中国に第2、第3のTHAAD報復の口実を与える可能性があるという指摘が出る背景だ。

THAAD対立の解消は喫緊の課題だ。中国はもちろん、韓国も念願していたことだ。しかし、韓国の安保主権が担保になってはいけないだろう。韓国企業が中国の手荒いTHAAD報復にもかかわらず、その間韓国政府にこれといった要求もせず耐えてきたのは安保が何よりも重大な懸案であることを認識した結果ではなかっただろうか。THAAD対立の完全解消に向けた政府の努力は続かなければならない。しかし、中国が圧力をかける安保に関する約束はなるべく曖昧に処理する必要がある。中国が北朝鮮との同盟に対して取っている曖昧な態度を参考にする必要があるだろう。



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