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【噴水台】「うちの犬は噛まないですよ」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2008年7月、世界が驚いた。11歳のブラジル少年ガブリエルくんが攻撃的なピットブル犬を噛んだのだ。親戚の家に遊びに行ったガブリエルくんは犬が突然駆け寄ってきて噛み付くと、逆に首筋に噛み付いたという。力いっぱい噛んだため犬歯が折れた。このニュースは世界に伝えられ、ガブリエルくんは「犬を噛む少年」として有名になった。19世紀の米国ジャーナリストのチャールズ・ダナは「犬が人を噛んでもニュースにはならないが、人が犬を噛むとニュースとなる」と言った。ニュースの珍しさと希少性を強調した誇張法だが、実際にこのようなことが起きたりする。

最近は犬に対するニュースの価値(newsworthy)が変わった。ペットが急増したことで隣人間での紛争と呆れるような事故が頻発する。個人的には登山の時に出会うペットが本当に嫌だ。先週末も海抜471メートルの山の頂上付近で大きな犬2頭に出会った。首輪もなかった。全身が縮んだ。「うちの犬は温和だから噛まないですよ」。なんでもないと言ったように話す飼い主が憎らしかった。

山から降りて携帯電話のSNSを見ると「人を噛んだペット」の事件で騒々しかった。ソウル市内の有名韓国式食堂「韓一館」の代表を務める50代女性キムさんが隣の家の犬に噛まれて6日後に敗血症で亡くなったが、その犬の飼い主の身元が明らかになったのだ。俳優でありアイドルグループSUPER JUNIOR(スーパージュニア)のメンバーであるチェ・シウォンさんだった。悲劇は先月30日、ソウル江南(カンナム)のあるマンションで起きた。キムさんは家族と一緒にエレベーターに乗っていたところ、ドアが開くと当時に駆け寄ってきたフレンチブルドッグにすねを噛まれたという。「被害者が亡くなった日、チェさんがその犬の誕生日パーティーを開いた」「ブルドッグが警備員を噛んだこともある」というような未確認のコメントがSNSにあふれた。「犬をすぐに安楽死させろ」「チェさん家族に責任を問え」という主張もあった。


屋内で犬と一緒に暮らすのは並大抵のことではない。犬を寝室やリビングに勝手に出入りさせることには反対だ。主人のくしゃみにも驚いて野性を表わすのが犬ではないか。国内では犬に噛まれる事件だけでも年間1000件を越え、家の中で珍島(チンド)犬が1歳児を噛み殺した事件に物ともせず「うちの犬は天使」という錯覚の中で生きている。オオカミ科の犬を人が飼い始めたのが1万年前ぐらいだと言われている。野性は調教できても本性までは消滅しはしない。犬に噛まれる事故も人間の支配欲がまねいた災いではないか。猛犬は天使ではない。

ヤン・ヨンユ/論説委員



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