(上)観客300万人を超えた映画『アイ・キャン・スピーク』(キム・ヒョンソク監督)。女優ナ・ムニ、俳優イ・ジェフンの演技の相性が良い。(下)写真2=2016年映画『鬼郷』(チョ・ジョンネ監督)。慰安婦を題材にした映画で、大きく興行した。(写真=各映画会社)
「慰安婦」問題を扱った映画が本格的に登場し始めたきっかけに映画『鬼郷』がある。興行の面で大きく成功したが、この映画には多少問題がある。映画を支えるのは被害者女性を守ることができなかった男性の償いの意識だ。このため、映画はあまりにも多くのことを逃し、増してや危険に陥った。『鬼郷』はそもそも女性の傷に関心がない。彼女たちの話は映画の中に繊細に積み重なるのではなく、姉妹愛、故郷に対する懐かしさ、「アリラン」のような映画外側の抽象的な観念にとらわれている。より一層深刻なのは被害者に加えられた暴力を単にイメージのレベルで誇示することに汲々としているということだ。スクリーンは性的暴力のイメージ、脱がれて殴られる体、すさまじい表情で満たされる。「慰安婦」という複雑な問題を男性の償いの意識に頼って慰めるなら、むしろ男性化したのぞき見の視線に被害者の苦痛を露出させることだ。
韓国映画『アイ・キャン・スピーク』、ようやく出会えたウェルメイド「慰安婦」映画(2)
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