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韓経:韓国通貨危機から20年…再び高まる「国家危機」の警告音

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1997年、危機は一歩ずつ近づいた。韓宝鉄鋼をはじめ三美、真露、起亜、ヘテ、ニューコアが順に倒れた。タイで始まった金融危機はアジアを襲っていた。韓国政府は「韓国は違う」と壮語した。だが外国人は韓国から急いで資金を引き揚げ、外貨は急速に減っていった。結局同年11月21日に韓国は国際通貨基金(IMF)に救済金融を申請した。

通貨危機は振り返れば高コスト・低効率が根本原因だった。当時の韓国は、技術は日本に、価格は中国に押されるサンドイッチの境遇だった。それでも企業は無理な借金経営を継続し、金融機関は一緒に不良に陥った。これを牽制する金融監督システムは作動しなかった。

「87年体制」以降に強まった民主化の風に乗り労働コストは急速に膨らんだ。改革が切実だったがリーダーシップが失われて久しかった。海外で韓国は言葉だけで行動しない「NATO(No Action Talk Only)」と呼ばれた。


それから20年が流れた。当時と比較すると「ドル不足」にともなう為替危機の可能性は減った。1997年末に204億ドルだった外貨準備高は今年8月末には3848億ドルに増えた。経常収支は当時4年連続で赤字が累積していたが現在は66カ月連続で黒字が続いている。30大グループの平均負債比率は518%から78%に低下した。

だが新たな危機を警告する声は再び大きくなっている。量的膨張にも質的な変化は探すのが難しいというのが最も大きい理由だ。あの時も現在も経済の高コスト低効率の構造は相変わらずだ。半導体の陰に隠れ造船、自動車、化学など主力産業の競争力低下は20年前と大きく異ならない。

通貨危機当時に構造調整を牽引した李憲宰(イ・ホンジェ)元副首相兼財政経済部長官は「われわれが歩んだ近代化の道をわれわれより何十倍も大きい中国が歩みながら必然的にわれわれと競争的代替関係になっていることが最も大きな脅威要因。すでに危機が進行しているのに努めて危機から目をそらしているだけ」と話した。

通貨危機当時に経済体質改善のために推進した4大部門改革(企業・金融・公共・労働改革)はいまに至るまで「未完の改革」として残されている。ある元官僚は、「企業と金融部門だけ少し手を入れただけで公共と労働部門の改革は既得権の反発に押されほとんど手も付けられていない」と指摘した。

過去になかった新たな不安要因も生じた。低成長基調が固定化し福祉支出と国の負債は急速に増加している。家計負債はいつ爆発するかももわからない時限爆弾になった。少子高齢化、第4次産業革命のような大変化が近づいているが対応は遅い。保守と進歩の対立が激しくなり社会統合はさらに難しくなった。対外的には北朝鮮の核の脅威がいつになく深刻化し、米国と中国で保護貿易が力を増している。

延世(ヨンセ)大学経済学部のソン・テユン教授は「外貨準備高のようないくつかの指標を除くと20年前よりさらに悪化した部分が多い」と話す。李憲宰元副首相は「危機を知っている時は何でもないが、危機から目を背けたり認識できなければ本当の危機となる」と話した。20年前の韓国がそうだった。いまの韓国はその時に比べ果たしてどれだけ変わったのだろうか。



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