樫山氏は引き続き「日本核武装議論はすでにかなり前から日米間で取り上げられた」として2006年10月安倍1次内閣で安倍晋三首相とコンドリーザ・ライス元米国務長官間の対話を事例にあげた。当時、安倍氏は日本を訪問したライス元長官に北朝鮮核開発に対して日本社会から出ている懸念を伝えた。ライス氏の回顧録によると、安倍首相は「日本が核開発に手をつけるという選択肢は絶対にあり得ない」としつつも「それを希望する声が多いことも事実で、そのような声がますます大きくなっている」とした。北朝鮮に対する強硬派だったライス氏は「日本でそのような声(核武装)が出るのは意味がある。北朝鮮が核開発をするように放置すれば、深刻なことが起きるということを中国も骨身に染みるほど悟るだろう」という考えを回顧録に書いた。
樫山氏だけでなく、日本の保守メディアは最近、ワシントン一部の「日本核武装論」を本国に積極的に伝えている。