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「トランプ大統領の韓米FTA破棄言及、再交渉で優位に立つ狙いも」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
時限爆弾の時計が動いている。トランプ米大統領が2日(現地時間)、韓米自由貿易協定(FTA)を破棄するかどうか来週から議論するというのは単なる貿易戦争宣言ではない。実際に実行する場合、今後の対北朝鮮協調はもちろん、従来の韓米同盟の構図を変える「ゲームチェンジャー」になる可能性がある。

ワシントンポスト(WP)は「マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)とマティス国防長官、ゲーリー・コーン米国家経済会議(NEC)委員長などホワイトハウスと政権の要人が、トランプ大統領の協定破棄の動きを防ぐために努力している」と伝えた。北朝鮮の核・ミサイル挑発が強まっている状況で、韓米FTAの改定や再交渉でなく破棄に向かう場合、韓米関係に深刻な亀裂が生じることを懸念しているからだ。しかし交渉代表のライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は破棄側に傾いているという。

ウォールストリートジャーナル(WSJ)はこの日、消息筋を引用し、「トランプ大統領が参謀とこの問題を議論するため5日にホワイトハウスで会議を開く」と報じた。通商専門紙インサイドUSトレードは「5日に破棄手続きを開始するだろう」と伝えた。WPは「(最終的には)再交渉に進むために協定は残す決定をするかもしれないが、FTA破棄のための準備はすでにかなり進んだ状況」と指摘した。


しかしワシントン外交筋は「まだ韓米FTA改定交渉で優位に立つための脅しである可能性が高い」と分析した。

この関係者は「先月22日にソウルで開かれたFTA改定特別会議で韓国側が米国側の主張を全く受け入れず、今後の日程も決められずに別れたことに怒ったトランプ大統領が、破棄の検討を参謀に指示したと把握している」とし「韓国の強硬姿勢にさらなる強硬姿勢で対抗すべきだというトランプ式の交渉術とみられる」と述べた。

トランプ政権は先月始めた北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に集中している。したがって韓米FTA破棄というカードを直ちに取り出すのは物理的に難しいという分析もある。「今すぐにも破棄を検討する」という程度の「警告」で交渉の緊張度を高く維持していく公算が大きいという指摘が多い。この関係者は「しかし時間が経過してもNAFTA再交渉が進まなかったり、トランプ大統領の国内支持率がさらに落ちれば、自分の支持基盤である白人労働者を意識してFTA破棄を真剣に進めるだろう」という見方を示した。

1日夜にトランプ大統領が文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談で「韓米間のミサイル指針について韓国側が望むレベルにする」という大きく譲歩した点と結びつけて分析する声もある。ミサイル指針(弾頭重量を現行の500キロから1キロ以上に増量)では韓国に譲歩案を投げかけ、同じ時期に進行される韓米FTA改定交渉では大きな譲歩を求める「バーター(交換)戦略」という主張だ。こうした面で「破棄」に言及したのは「譲歩しろ」という文大統領へのメッセージとも考えられる。

一方、日本はトランプ政権がNAFTAと韓米FTAで特別な成果を出すことができない場合、日米FTA締結を要求してくる可能性が高いとみて対策の準備に入ったと伝えられた。安倍政権はトランプ大統領が環太平洋経済連携協定(TPP)を離脱したものの火種を保つため、米国との2国間FTAには反対している。



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