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【取材日記】天下りにむしばまれる韓国取引所の悲しい運命

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国取引所は公共機関ではない。KB証券(6.42%)からKR先物(0.07%)まで34の証券・先物会社が韓国取引所の株式を持ち合っている。韓国取引所理事長を選ぶ手続きもそのため通常の公共機関とは異なる。

企画財政部長官や金融委員長が候補を検討したり理事長を任命したりはしない。韓国取引所で自主的に構成した理事候補推薦委員会で候補を選出する。韓国取引所の株式を持つ34の証券・先物会社代表が集まり最終候補を理事長に選任する。形式上非の打ちどころのない民営会社だ。

韓国取引所が現在の位置に来るまで至難な闘争の過程があった。2005年に証券取引所とコスダック取引所、先物取引所の3カ所が統合された統合証券先物取引所(現韓国取引所)が発足する。当時の性格は公共機関だった。取引所は韓国証券市場を開き手数料を受け取る独占事業権を持っている。ここに市場監督という強大な権限まで握っている。民間機関だが公共性格が明確だというのが公共機関指定の理由だった。


その後韓国取引所は公共機関解除(2006年)、再指定(2009年)、解除(2016年)を繰り返した。2つの論理が衝突したためだ。「独占機関として放漫経営を防がなければならない」「民間会社としての自律・独立が重要だ」。

こうした歴史の中でも絶対変わらないことがある。天下り理事長だ。

チョン・チャンウ理事長は先月の休暇中に突然出勤して役員会議を開き辞意を表明した。すぐに新理事長選出手続きが始まったが、候補者受付期間も終わっていないのにすでに「大統領選挙キャンプ出身のだれかが有力だそうだ」「官僚出身のだれかと政治家出身のだれかが競争するらしい」のようなうわさが流れている。

「見えない手」による天下りが差し迫っているというシグナルだ。

2004年に米ニューヨーク証券取引所(NYSE)のジョン・セイン代表がメリルリンチ最高経営責任者(CEO)に任命される。ジョン・セインはゴールドマンサックスCEOまで歴任した人物だ。この専門家はその後民間金融会社CEOに移った。政府の天下りは寄せ付けなかった。

韓国証券市場を代表する韓国取引所理事長の地位はどうなのか。政府と取引所、証券業界内外の話を聞いてみれば天下りは今回も途切れなさそうだ。任命時に天下り議論を起こしたチョン理事長は11カ月の最短在任期間という記録だけ立てて離れることになった。天下りはまた別の天下りを呼ぶだけという教訓だけ残したままだ。

チョ・ヒョンスク/経済部記者



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