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【コラム】文大統領が安倍首相に先に電話していたなら

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過した先月29日、日本列島が感じた恐怖はこの場面だけで理解できる。午前6時ごろ、枕元に置いてあった携帯電話で全国瞬時警報システム(別名Jアラート)がけたたましく鳴る。眠たい目をこすって確認してみると、携帯電話の画面には「さきほど、この地域の上空をミサイルが通過した模様です」というメッセージが表示されている。テレビをつけると、アナウンサーが正規放送を中断して「北朝鮮ミサイルが発射されたようなので丈夫な建物と地下に避難してください」とあわただしく避難を促す言葉を繰り返す。しかも北朝鮮ミサイルを迎撃をしなかったのか、できなかったのかは分からないが、日本政府関係者が大言壮語していた北朝鮮ミサイル撃墜は行われなかった。

この日、休校や新幹線の一時見合わせなど日本の対応を行き過ぎると感じることはできない。ミサイルがもしも日本の都市や市町村の上に落ちた場合起こりえた惨事は考えただけでも背筋が寒くなる。北朝鮮がいくらミサイルを打ち上げても泰然自若としている韓国社会がむしろおかしいと考えるべきだ。ドナルド・トランプ大統領と安倍晋三首相の電話会談は北朝鮮のミサイル発射からわずか3時間ほど後の午前9時24分から始まり40分間続いた。だが文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍首相の電話会談はその翌日の30日午前9時30分から行われた。青瓦台(チョンワデ、大統領府)はこの電話会談は安倍首相の要請で行われたと説明している。私は北朝鮮ミサイルが日本上空を飛んだその日、文大統領が先に安倍首相に電話をかけるべきだったと考える。そして日本国民が感じた恐怖に共感し、北朝鮮が日本を威嚇する行為を糾弾し、断固たる対応策を共に話し合うべきだったと考える。もちろん文大統領は、満一日が過ぎて行った安倍首相との電話会談で「挑発を越えて近隣諸国に対する暴挙」と述べて安倍首相と足並みをそろえた。

だが衝撃を受けた相手に先に電話することと、後で相手の要請を受けて話をするのは次元が同じだと見ることはできない。隣の家が火事に見舞われた時、火を見るや水甕を持って駆けつけるのと、火がある程度沈静化してから訪ねて行くことでは誠意が別物に感じられるのと同じことだ。


先月29日(現地時間)、国連安全保障理事会会議場に入ったニッキー・ヘイリー国連米国大使は、記者団に対して「日本には1億3000万人の人々が暮らしている。いかなる国もミサイルをその上空に発射するべきではない」と述べた。韓日安保関係専門家のパク・ヨンジュン国防大教授は「ヘイリー大使のその一言で日本国民は大きく慰められた」としながら「それが外交だ」と評価した。私はこの言葉に同意する。

外交専門家はたいてい、韓国の民主化以降で韓日関係が最も良かった時代として金大中(キム・デジュン)大統領-小渕恵三首相時代を挙げる。1998年、2人の指導者は「韓日共同宣言 -21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ-」を通じて、韓日関係を一段階格上げさせたという評価を受けている。当時、日本政府は歴史に謝罪の意を表し、韓国政府は不幸な過去を克服して未来に進もうと手を差し出した。そこにはもちろん金大中-小渕恵三の人間的絆と配慮が大きく作用した。

しかしそれだけがすべてではなかった。当時、北朝鮮に対する和解協力を主要国家戦略として推進していた金大中は、日本など周辺国の信頼と協力が必須だったことを看破していた。このため日本の歴史認識は満足するレベルではなかったものの、メッセージを節制しながら外交安保をはじめとする各方面で韓日協力を強化していったのだ。金大中の太陽政策もそのような緻密な戦略の上で光を放つことができた。

3日の北朝鮮の6回目の核実験は韓半島の運命を危機状況に追い込んでいる。核を握った北朝鮮を相手にしなければならない韓日米の三角共助と結束はいつも以上に重要だった。北朝鮮は今までそうしたように、韓日、韓米の隙間を広げて仲違いさせようとするだろう。制裁と圧迫を通じて北朝鮮を交渉テーブルに引き出そうとする文在寅(ムン・ジェイン)政府の意志は強力に見える。そうであるなら、なおさら韓日米共助を守り強化するための努力と誠意が重要だ。

イ・サンリョル/国際部長



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