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【社説】自信に充ちた大統領、100日記者会見で惜しかったこと

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任100日記者会見は形式と内容の面ですべて新鮮だった。就任100日に際した会見は歴代政府から続いてきたが、今回のように台本なしに行われたのは初めてだ。会見場所を春秋館より広い迎賓館に決めたことや記者団の椅子を半円形で配置したこと、大統領が机の前に座って質疑応答をしたことも視線を合わせた、より幅広い疎通を象徴するのに十分だった。

質問内容を事前告知されなかったにもかかわらず、文大統領の回答ははばかることなく自信に充ちていた。外交・安保をはじめ、経済、社会、政治、慰安婦、韓米自由貿易協定(FTA)問題に至るまで国政全般を掌握しているという印象を与えるのに十分だったし、確実な未来の青写真を提示してほしいと望む国民に信頼を与えることができた。

特に、改憲を公約として前面に出して執権してからはなかったことにしてしまう歴代政権とは違い、国会改憲特別委で改憲議論に合意できない場合、政府主導で改憲に出るという強い意志を表明したのは高く評価すべきだ。来年の地方選挙で改憲するというロードマップをもう一度明らかにすることで、政界にとってはより積極的な改憲議論の圧力を受けざるを得なかっただろう。


だが、いくつか惜しい部分があったのも事実だ。何より北核問題に過度に楽観的な考えを持っているという疑問をもう一度抱かせた。大統領としては初めて北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に核弾頭を搭載して兵器化することを「レッドライン」と規定し、北朝鮮にレッドラインに近付く挑発をやめるように警告したのは正しい判断だ。しかし、記者の質問に答えたもので、対話の条件がそろえてからという前提を付けたとしても「『対北朝鮮特使』を考えられる」と述べたのが適切だったかという疑問がある。今のように国際的な対北朝鮮制裁が強化する中でややもすると北朝鮮に誤ったメッセージを与えかねないからだ。もちろん、韓半島(朝鮮半島)の危機解決のために水面下では対北朝鮮特使の検討を超えて水面下での対話チャンネルまで稼動しなければならないというのが我々の判断だ。

最も納得できないのは、人事について「均衡・不偏不党・統合人事だと国民が評価している」と話したことだ。文大統領自らが立てた「5大公職排除事案」を破っても謝罪なしに手前味噌を並べるのは文政府が最も間違ったものとして人事を挙げている多くの国民を無視する態度に他ならない。相当数の国民が懸念している政府の「所得主導成長論」に対する説明が不足した点、「約束対練のない会見」と自慢したが主流メディアには質問の機会が与えられなかった点なども惜しい部分だ。

にもかかわらず、文大統領の記者会見は合格点がつけられる。いかなる政府も考えが異なる人々を100%理解させ満足させることはできない。だが「違い」が「間違い」ではない。自身だけが正しいという考えを捨て、他の考えに耳を傾けて両側の共感を最大化するのが文在寅政府が成功できる唯一の道だ。



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