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【社説】殺虫剤卵、他国の話でなかったとは=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国の消費者は茫然自失したとしか言いようがない。殺虫剤卵の恐怖は欧州の話ではなかった。我々の食卓を脅かしていた。先月から欧州を衝撃に陥れた卵の殺虫剤成分フィプロニルが韓国の産卵鶏農場の卵から検出されたのだ。別の農家ではビフェントリンという殺虫剤成分が基準値を超過した卵を生産した。欧州発の殺虫剤卵問題が広がる中、農林畜産食品部(農食品部)が1日から全国の産卵鶏農家を対象に一斉に調査している中で見つかったのだ。調査開始から2週間、検査を終えた農家は全体農家1400カ所余りのうち40カ所にすぎない。農食品部はすべての卵の出荷を禁止し、調査を3日以内に終えると発表した。殺虫剤卵はさらに出てくる可能性もある。

この過程で政府はまた信じがたい姿を露出した。7、8月はダニが増え、殺虫剤を使用するのは公然の秘密だった。農食品部も「わが国の産卵鶏は密集飼育するため、畜舎にまいた殺虫剤成分が鶏の体内に吸収され、卵からも検出された」とみている。こうした飼育環境は殺虫剤汚染に脆弱だが、2016年上半期まで卵に対する農薬検査を実施しなかった。農家対象の殺虫剤教育も普通は9月に実施する場合が多く、警戒心もなかったという。

柳永珍(リュ・ヨンジン)食品医薬品安全処長は10日の記者懇談会で「国産の卵と鶏肉は殺虫剤成分が検出されなかったので安心してもよい」と述べた。この言葉は4日も続かなかった。これまで流通してきた卵も殺虫剤成分から安全だったと言えない状況だ。また今回の殺虫剤卵農家は農食品部から「無抗生剤畜産物認証」を受けたところであり、政府の認証制度管理に対する不信感も強まっている。さらに「鶏肉は食べても問題ないのか」という不安感まで消費者の間で広まっている。


一方、食品および流通業界は今回の事態の波紋を心配している。卵が必須の製菓・製パン業界は卵流通禁止措置に緊張している。新鮮食品は普通2、3日間の在庫しか置かないため、絶対物量不足で生産中断事態につながるという心配のためだ。さらに在庫の卵も安全性を検査しなければいけない状況だ。価格の暴騰は避けられないとみられる。年初の鳥インフルエンザで産卵鶏の36%が殺処分され、卵不足と価格急騰を経験したが、価格が回復する前にまた悪材料が出てきたからだ。

今回の事態で国民に好まれている鶏肉と完全食品といわれた卵の神話が揺れることになった。専門家は韓国の劣悪な鶏飼育環境のためにいつかは発生するしかない問題だったと指摘する。1羽あたりA4用紙1枚分の大きさの密集飼育方式が鶏のストレスを高め、免疫力を落とし、ダニなど害虫発生を促進する環境を作るため、薬品の使用は避けられないということだ。とにかく今は殺虫剤卵が流通しないよう防ぐことが急務だが、健康な国民の食生活のためには今からでも動物飼育環境の改善、生産農家および流通過程の管理など根本的な対策を講じる必要がある。



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