問題はワシントンの好戦的な雰囲気だ。北朝鮮の核・ミサイル施設に対する先制打撃論がついにマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)の「予防戦争論」に拡大発展した。こうした雰囲気でトランプ大統領は韓国人を侮辱する妄言をした。8月1日の米NBC放送のインタビューでリンゼー・グラム上院議員(共和党)はトランプ大統領が自分にした話をこのように伝えた。「北朝鮮がICBMで米国を攻撃するミサイルプログラムを継続すれば北朝鮮と戦争が起こるだろう。ミサイルプログラムを中断させるための戦争が起こるのなら、それは向こう(over there)で起こる。数千人が死ぬなら、それはここ(over here)でなく向こうだ」。グラム議員はトランプ大統領が私に直接(to my face)そのような話をしたとまで説明した。
言うまでもなくトランプ大統領が話した「向こう」は韓半島であり「ここ」は米国だ。戦争が起これば数千人でなく数十万人、核戦争なら数百万人が死亡することを考えれば、トランプ大統領は戦争に関する概念さえもない危険な大統領だ。すべての犠牲は「向こう」で発生するというトランプ大統領の言葉は正しい。第2次世界大戦からアフガニスタン戦争まで米国がしたすべての戦争がそうだった。数十万人の米軍が戦死し、数百、数千万人の現地人が犠牲になっても、1941年のハワイ真珠湾を除いて米本土は血を一滴も流さなかった。米同時多発テロのような不意の事態でなければ米国が傷つくことはないという安堵感が米国人の潜在意識に深く刻まれている。とはいえ、どうすれば米国の大統領という人物がためらいもなくそのような話ができるのか。米国本土防御のためには、韓国の領土が戦火に包まれて数十万人の韓国人が犠牲になってもかまわないという発言をするのは非常識だ。
【コラム】概念のないトランプ氏(2)
言うまでもなくトランプ大統領が話した「向こう」は韓半島であり「ここ」は米国だ。戦争が起これば数千人でなく数十万人、核戦争なら数百万人が死亡することを考えれば、トランプ大統領は戦争に関する概念さえもない危険な大統領だ。すべての犠牲は「向こう」で発生するというトランプ大統領の言葉は正しい。第2次世界大戦からアフガニスタン戦争まで米国がしたすべての戦争がそうだった。数十万人の米軍が戦死し、数百、数千万人の現地人が犠牲になっても、1941年のハワイ真珠湾を除いて米本土は血を一滴も流さなかった。米同時多発テロのような不意の事態でなければ米国が傷つくことはないという安堵感が米国人の潜在意識に深く刻まれている。とはいえ、どうすれば米国の大統領という人物がためらいもなくそのような話ができるのか。米国本土防御のためには、韓国の領土が戦火に包まれて数十万人の韓国人が犠牲になってもかまわないという発言をするのは非常識だ。
【コラム】概念のないトランプ氏(2)
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