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【噴水台】韓国の中の「軍艦島」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
最近日本からカカオトークのメッセージを受け取った。中国大連外国語大のキム・ウォルベ教授からだ。北九州大の招きで安重根(アン・ジュングン)義士の特講を終えた彼は、先月28日に軍艦島(端島)を訪ねた。小学校6年生の息子と一緒だ。日帝の韓国人徴用現場を息子に見せてあげたかった。彼は訪問前日にインターネットを通じて予約を入れた。韓国の住所も入力した。ちょうど韓国で映画『軍艦島』が公開された直後だった。

探訪当日、キム教授は青色の名札を手渡された。日本人は緑色だった。その日午前9時、軍艦島行きのクルーズに乗船した人は40人余り、そのうち4人は韓国人だった。軍艦島は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産、人類の普遍的価値を認められたという意味だ。ところがなぜ名札の色で国籍を分けなければならないだろうか。

キム教授は「予想外だった。管理されているような感じ」と話した。キム教授が送ってきた写真50余枚にも目を通した。日本明治時代産業革命の現場を見ることができた。軍艦島の近くの高島石炭資料館にあるハングル年表の最後の一節は「1974年1月15日、端島坑閉山。同年4月20日に無人島になって今に至る」。韓国人徴用の事実はどこにもなかった。


2年前の世界遺産登録当時、関連事実を示すようにとするユネスコ勧告を履行しないでいる日本だ。キム教授は「現場ガイドも日本の近代化だけに触れて、海底1000メートルの中の朝鮮人の悲しみはただの一行も紹介しなかった」と伝えた。2日、全国観客動員500万人を超えた映画『軍艦島』の興行には日本の厚顔無恥に対する反感が作用したようだ。映画マーケティングもこの部分を全面に出している。それでも鑑賞後、虚しさを覚えた。「アクションの大家」リュ・スンワン監督が急ごしらえした悲劇の現場は極めて表面的だ。スクリーン寡占、反日・親日映画論争は二の次として、全般的な説得力に欠ける。何よりもキャラクターの常套性のためだ。

スター軍団が出動した『軍艦島』の純製作費は220億ウォン(約21億7000万円)。予算をかけた分は取り返さなくてはならない商業映画の興行要素は理解する。だが、いわゆる地獄島を脱出しようとする彼らの言葉やしぐさがあまりにもいかにもすぎて…。歴史に対する過剰被害意識に映った。私たちの中にもう一つの「軍艦島」を作ってしまったかもしれない。日本に手本を見せるにはもう少し注意深くあるべきだった。もう少し深く考えるべきだった。

パク・ジョンホ/論説委員



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