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ヒット中の韓国映画『軍艦島』にまつわる3つの論争…リュ監督にインタビュー(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

巡回公演の提案にだまされて端島へ渡ってきた楽団長イ・ガンオク(ファン・ジョンミン扮)と娘ソヒ(キム・スアン扮)。(写真=CJエンターテインメント)

(2)歴史をわい曲?

『軍艦島』は、日帝強占期に徴用された朝鮮人が三菱鉱業が所有する端島炭鉱に強制的に連れて行かれて働かされている中、炭鉱から脱出するというあらすじだ。脱出劇そのものは実際にあったことではないが、炭鉱内のディテールをはじめ、歴史考証に大小の異見が出ている。歴史作家のシム・ヨンファン氏はフェイスブックに「前貸し方式で徴用者らに移動経費を負担させたり、湿った畳を掲げて怒ったりする様子まで、韓国映画に初めて登場した強制徴用の実状を比較的よく考証している」という意見を示した。一方、世宗(セジョン)大日文科の朴裕河(パク・ユハ)教授は「手当たり次第に動員されたケースは(あった可能性はあるが)例外的」「慰安婦と男性の徴用は動員ルートそのものが異なる」と主張した。

リュ監督は「『わい曲』というのは事実ではないことを事実とすること」としながら「実際、歴史をモチーフにして作ったフィクションであることを明確にしているし、人物や事件はすべてその時代的背景がなかったら出てくることはなかった」と述べた。リュ監督は「もし映画的な興奮を狙っていたなら、戦闘場面で機関銃を撃っていただろう」としながら「歴史・軍事専門家の考証を経て、当時島にあった武器と人材だけで描いた」と説明した。また「人間以下の扱いを受けて苦労した人々を、せめて映画の中だけでも家に帰してあげたかった」とし「映画をもう一度作るとしても、その選択は変わらない」と話した。


(3)「愛国鼓舞」か「親日」か

『軍艦島』は公開前まで愛国心を高める映画だという予想が大勢を占めていた。愛国心を鼓吹する民族主義を刺激して興行につなげようとしているというのがその推察だった。実際フタを開けてみると、日本人よりもさらに悪らつに描かれた親日派朝鮮人のせいで「親日」映画ではないのかという見解も登場した。

リュ監督は「親日的な姿勢を見せた人物がどのような最後を迎えるのかを見てほしい」とし「親日を一掃しようとの意志は明白に表れているのに、一部分だけを拡大解釈してまるでそれが映画が進もうとしている方向性であるかのように言うのは不当だ」と反論した。旭日旗を破るなど抗日場面が何度も登場する。

リュ監督は「われわれがこの事実を忘れないことが重要だ」と強調した。軍艦島は2015年国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に登録されたが、日本は朝鮮人強制徴用の事実をどこにも記載しないでいる。そのため過去ではない現在進行形の問題ということだ。2013年からこの映画を構想し始めたリュ監督は「金儲けが目的ならすぐに『ベテラン2』に取り掛かり、わざわざこんな茨の道に足を踏み入れることはなかっただろう」とし「結局、最後まで完成して公開にこぎつけただけでも感謝したい」と明らかにした。

歴史を喚起する『軍艦島』効果は海外でも現れている。日本の菅義偉官房長官が先月26日、「監督自身が創作された話だと述べている通りだ。史実を反映した記録映画の類いではないと思っている」とし「徴用工問題を含めて日韓間の財産、請求権の問題は日韓請求権協定によって完全に、最終的に解決済み」と述べた。反面、日本の文化審議会は先月31日、3年間ユネスコ世界文化遺産登録の候補に挙がっていた佐渡鉱山の推薦を見送った。リュ監督は「日本で私の発言が報道されたり強制徴用のあった鉱山を断念して他の場所の登録申請したりするのを見ると、それだけ堂々とはできないということではないか」と話した。

限韓令以降、韓国文化コンテンツに消極的だった中国でも関連報道が続いている。中国中央テレビ(CCTV)は先月28日の朝ニュースで「抗日大作」と絶賛して大きく報じた。新華社通信は「軍艦島で犯した罪悪を公開せよ」と論評するなど日本の歴史反省を促した。先月28日にはユネスコ本部が置かれているフランス・パリでユネスコおよび駐仏外交官対象の特別試写会が開かれた。



ヒット中の韓国映画『軍艦島』にまつわる3つの論争…リュ監督にインタビュー(1)

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