走行中の列車の窓に、突然、大型のナット形の鉄塊が飛び込んできて、乗客が割れた窓ガラスの破片で顔などを負傷する事故が発生した。この鉄塊に当たった乗客は幸いいなかった。鉄道当局は、現在、詳しい事故原因などを調査している。

３０日午後１時５０分ごろ、ソウル龍山（ヨンサン）駅を出発して京畿道軍浦（キョンギド・クンポ）を経由して麗水（ヨス）エキスポ駅行きの急行列車「ムグンファ号」（１５０７号）２号車の窓ガラス（縦１メートル、横２メートル）の一枚が長さ２０センチほどの鉄塊に当たって粉々に割れた。鉄塊の重さは１０キロほどになる。該当の列車はこの日午後１時１８分、ソウル龍山駅を出発して永登浦（ヨンドンポ）駅を過ぎ、次の停車駅である水原（スウォン）駅へ向かっている途中だった。

飛び込んできた鉄塊の衝撃で窓が粉々に割れ、列車に乗っていたキムさん（４５、女性）ら乗客７人がこのガラスの破片で顔や足をけがするなどした。一部の乗客は「破片が目に入った」と苦痛を訴えた。列車が停車駅の水原駅に到着すると、通報を受けて待機していた消防当局がけがをした乗客に応急処置を施した。水原消防署は救急車６台など装備・人材などを水原駅に待機させていた。けが人７人のうち、治療がすぐに必要と判断された５人を近くの大学病院などに搬送した。この鉄塊による直接の被害を受けた乗客はおらず、現在までけが人のうち重傷者はいないことが確認された。


ＫＯＲＡＩＬ（韓国鉄道公社）は事故が発生した客室の乗客を他の客室に振り分けた後、該当の列車を湖南（ホナム）線西大田（ソデジョン）駅まで走らせた。西大田駅ではあらかじめ用意されていた臨時列車に乗客を移動させた後、引き続き麗水エキスポ駅まで運行を続行した。

韓国国土交通部鉄道特別司法警察隊は現在、詳しい事故原因や経緯などを調査している。まずこの鉄塊がどこから飛んできたのか確認することに集中している。八角形のナット形をしたこの鉄塊は、表面の一部が欠けているなど、全体的に腐食が進んだ状態だ。

鉄道特別司法警察隊関係者は「２０センチほどのナット形の鉄塊がどこに使われていたものなのか等も調査している」とコメントした。事故が発生した京釜（キョンブ）線鉄道区間〔国鉄軍浦～義王（ウィワン）駅の中間に位置〕は民間人の出入りが禁じられているためだ。現在のところ、誰かが走行中の列車の近くまで接近した後、１０キロの重さの鉄塊を車両に向かって投げ入れた可能性は低い状況だ。