韓国政府が米国の韓国系平和運動家であるクリスティーン・アン（アン・ウ二）の入国を許さなかったとニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）が１７日（現地時間）、報じた。

ニューヨーク・タイムズによると、アン氏は１３日、仁川（インチョン）国際空港を経て中国に向かうためにサンフランシスコ空港でアシアナ航空の飛行機に乗ろうとしたが、搭乗が拒否された。「ペルソナ・ノン・グラータ」（ｐｅｒｓｏｎａ　ｎｏｎ　ｇｒａｔａ）に指定されているという理由だった。現在、アン氏は中国南京に留まっている。

アン氏は２０１５年、女性平和運動団体であるＷＣＤ（Ｗｏｍｅｎ　Ｃｒｏｓｓ　ＤＭＺ）が主催した行事を通じて北朝鮮から非武装地帯（ＤＭＺ）を縦断し、韓国に渡ってきた。その後、ある保守団体がアン氏などが金日成（キム・イルソン）首席を称賛したという北朝鮮労働新聞の報道を理由にアン氏などＷＣＤ会員１２人に対する永久入国禁止を統一部に要請した。


法務部は「アン氏が国益と公共の安全を害する可能性があるという十分な根拠があり、アン氏の入国を許さなかった」とＮＹＴ側に明らかにした。

アン氏は「民主主義と人権、平和のために活動した人々の入国を許さないなら、これは暗い時代の遺産を残しておくこと」としながら入国許容を求めた。アン氏は２６日、韓国で慰安婦問題の解決を求める水曜集会に参加した後、２７日明洞（ミョンドン）で開かれるＷＣＤ会議に参加する予定だったという。

アン氏は韓国メディア「ニュース打破」とのインタビューで、ＷＣＤが「従北」という一部の主張に対して「戦争状態で政府は紛争が存在しているという理由で国家安保の名のもとで抑圧を正当化すること」と話した。北朝鮮だけでなく、米国も同様で韓国も朴槿恵（パク・クネ）政権の下でそうではなかったと反論した。

それと同時に「勝者の一人占め、白黒論理を前面に出して自身と違う意見を持つ人々を『従北』と追い込むのは対話を沈黙させる方法」とし、「私たちは一度も北朝鮮の人権侵害の実態を否定したことがない。世界と断絶されてこそ、そのようなことが言えるだろう」と強調した。

アン氏の同僚である米国の女性運動家、グロリア・スタイネム氏とノーベル平和賞受賞者のマイレッド・マグワイア氏などは安豪栄（アン・ホヨン）駐米韓国大使に書簡を送り、アン氏の入国を許容すよう求めた。彼らは休戦状態である韓国戦争（朝鮮戦争）を公式的に済ませる平和協定締結を求めるキャンペーンも行う予定だ。