全羅北道完州郡「参礼文化芸術村」にあるキム・サンリム木工所。
日帝強占期の糧穀倉庫の原形を生かしたVMアート美術館。
農協糧穀倉庫を改装したデザイン博物館。
解放以降まで糧穀倉庫として活用された建物は、米の消費が減って保存技術が発達したことを受け、2010年以降は放置された。完州郡は2013年6月、この建物に国費と郡費40億ウォン(約4億円)を投じて複合文化空間として再誕生させた。低迷した地域商圏に活気を吹き込み、農村住民に文化・芸術に接する機会を与えるためだ。
芸術村の中にはビジュアルメディア(VM)アート美術館やデザイン博物館、キム・サンリム木工所、本博物館などがある。各館長が組合員として加入している「サムサムイェイェミミ協同組合」が完州郡から委託されて芸術村を運営している。
参礼文化芸術村は表面だけ見れば粗末な糧穀倉庫だ。錆がついたトタンに囲まれた建物壁には農協マークが刻まれている。だが、建物の中に入ると「動く芸術」と呼ばれるキネティックアート(kinetic art)からメディアアート(media art)まで、先端芸術作品が目の前に繰り広げられる。西洋画家であるイ・ギジョンVMアート美術館長(62)は「100年の間、糧穀倉庫として使われていた場所をミュージアムに変えたのが最も大きな特徴」と話した。参礼文化芸術村にある糧穀倉庫7棟は外壁および内部の一部と軒先、屋根トラス(屋根をつなぐために作った骨組み)などが原形のまま残されている。
外壁に「参礼農協倉庫」と書かれた建物はデザイン博物館だ。歴代「PIN UPデザインアワード」で受賞した商品が展示されている。さじからタイヤ、縄跳び、プリンタまで品目も多様だ。
本博物館入口には「正直な書店」という無人書店がある。本の裏表紙にある価格表を見て、できるだけ良心的に本代を料金箱に入れる。常設展示場には「韓国ブックデザイン100年」と「チョルスとヨンイ-キム・テヒョン教科書の絵」などが展示されている。本工房ブックアートセンターでは、本に関するすべて学ぶことができる。
完州郡によると、参礼文化芸術村の累積観覧客は先月までで14万9000人余りに達する。1月には文化体育観光部が発表した2017~2018韓国観光100選に選ばれた。完州郡守のパク・ソンイル氏は「ゴミが積まれていた倉庫が芸術村に変貌して全国的な“文化アイコン”になった」と述べた。
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