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韓経:海外から激しい批判も…韓国でよく登場する「創造科学」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

進化論をめぐる論争を扱ったタイム誌の表紙

兪英民(ユ・ヨンミン)未来創造科学部長官候補が4日の国会人事聴聞会で、進化論に対する見解を尋ねる議員の質問に対して意見表明を留保し、非難を浴びた。現代科学の核心である進化論に議論の余地があるかのようなあいまいな態度を見せたのは、科学技術政策を率いる首長の態度として適切でないという声が多かった。兪候補は神による宇宙創造に追従するチャ・ウォンヨン氏と共著した履歴があり、進化論を拒否する創造科学を信じているのではという疑惑が浮上した。科学技術部門の閣僚を検証する場で候補に進化論に対する見解を問うのは、人事聴聞制度が導入された2000年以降初めてだ。兪候補は立場表明の要求が相次ぐと、結局「創造科学は非科学、反科学的と考える」と述べた。

根本主義新教団体とキリスト教を信仰する学者らが主導する創造科学は、神が宇宙を創造したというキリスト教創造論が科学的な根拠を持つ歴史的事実だと主張する理論だ。進化論はもちろんで現代科学の成果である地質論、宇宙論などを否定し、聖書に登場する「6日間宇宙創造」「神によるすべての生物種の同時創造」などが科学的事実として立証されたと主張している。

このような創造科学の主張は、正統科学界はもちろん、カトリックと主流新教神学界も同意していない。フランシスコ法王は2014年、法王庁科学委員会の検討を経て進化論とビッグバン理論はカトリックの教えに背かないことを認めた。進化生物学者の張大翼(チャン・デイク)ソウル大教授は「進化論をめぐるさまざまな論争はあくまでも進化論を前提としていて、これを強化するレベルで行われている」とし「今まで表れた成果をみると、無神論的進化論者のリチャード・ドーキンス氏の主張をさらに後押しする方向に向かっている」と述べた。


創造科学は海外と国内で絶えず論争を招いている。2000年代初期、米国の一部の新教保守団体がペンシルバニア州をはじめとする一部の州公立学校教科書に進化論が複雑な有機体を説明できないため神の設計を導入するべきだという名称だけを変えた知的設計論の採択を図って論議を呼んだ。米連邦裁判所は2005年、知的設計論は創造論に別の名称をつけたものであり、宗教に基づいた証明できない仮設を教えようとしてはいけないという結論を出した。

韓国では2012年に新教教育団体が高校の科学の教科書で進化論の代表的な根拠に挙げられる「始祖鳥」や「ウマの進化」などを削除する運動が起きた。当時、国際学術誌『ネイチャー』までが韓国の教科書から進化論の証拠が削除された事件を扱い、韓国での論争に懸念の声を出したりもした。2008年にはKAIST(韓国科学技術院)に創造論を広報する創造科学展示館が運営されているという事実が伝えられ、批判が出たりもした。

科学界は特に韓国で創造科学が持続的に登場する点を懸念している。イ・ドクファン西江大教授は「科学理論として定着した進化論と信仰に基づく信念である創造論が競争するような構図を形成するのは創造科学者らの意図」とし「創造科学をはじめとする非科学の拡散に対し、科学界は明確な見解を持つべきだ」と述べた。



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