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【時視各角】マクロ経済、航海士が見えない=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
政治が左右の両翼で飛ぶとするなら、経済はマクロ・ミクロの両輪で転がる。金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相兼企画財政部長官が就任直後の13日、韓国銀行を訪れたのもそのためだったと思われる。金副首相はその日、李柱烈(イ・ジュヨル)総裁と2人で昼食を取った。2人は「現経済状況に対する認識はほぼ一致していることを確認した」とした。何の話をどのようにしたのか具体的に明らかにしてはいない。

文在寅(ムン・ジェイン)政府は財政を緩和して雇用を創出し成長を導いていくという。金副首相は予算通だ。お金をどこにどのように緩めるかに関してはプロだ。障害物は通貨と金融、マクロだ。金利決定権を握っている韓銀が財源を握れば全く無駄になることもある。苦労して財政に放ったお金がうまく回らなくなる。前政権の崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)・柳一鎬(ユ・イルホ)副首相は韓銀と行き違いがあった。李柱烈総裁は「(通貨だけを言い訳にせず)財政がもっと積極的な役割を果たさなければならない」と述べて公開的に政府政策を批判したりもした。通貨・財政がバラバラに動いていたところを見せていたせいで、金融を緩和しても市場に及ぼす効果は小さかった。金副首相はそのような副作用と危険を避けたかったのだろう。

しかし、金副首相一人が頑張ったところでどうにかなるようなことではない。Jノミクス(文在寅政府の経済哲学)は財政中心だ。分配分配、また分配だ。そのためか、副首相から企画財政部第1・2次官まで、見事に全員が予算通だ。核心軸が財政だけに傾いたのだ。金融や市場を調整するマクロ専門家は目をこすってみたところで一人もいない。青瓦台(チョンワデ、大統領府)も同じだ。張夏成(チャン・ハソン)政策室長の人選は財閥改革に傍点がつけられている。キム・ヒョンチョル経済補佐官は経営が専攻だ。日本を長く研究して少子高齢化問題には詳しいがマクロ側を扱ったことはない。そのうえ、経済首席の椅子は政権発足40日余りが過ぎてもまだ空席のままだ。


国際金融市場はしかし、通貨・金融のマクロ経済専門家がいなくてもいいと言うほど暇ではない。プロ中のプロでも扱いにくい危険と変数があふれている。しばらく潜伏しているが、米中間の為替戦争はいつでも全面戦争に飛び火するおそれがある。ブレグジット、英国の欧州連合(EU)離脱がもたらすその後の影響も下半期から徐々に本格化するだろう。米国第一主義を叫ぶドナルド・トランプ大統領が国際金融秩序をことあるごとに揺さぶっていることも大きな危険だ。



【時視各角】マクロ経済、航海士が見えない=韓国(2)

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