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【コラム】韓国、「大統領がいない153日の経済」が残したもの

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1週間後には韓国に新しい大統領が誕生する。弾劾訴追後、事実上の大統領不在状態になってから153日ぶりだ。長く空けていた家の前のように、青瓦台(チョンワデ、大統領府)にも各種「請求書」がたまっている。その大半が米国や中国からのものだ。

頭が痛い請求書の間には予想外のプレゼントも待っている。経済成績表だ。大統領の長期不在にもかかわらず韓国経済は善戦した。1-3月期の成長率は前期比0.9%と、当初の政府の予測値(0.6%)を大きく上回った。外国人が国内の株式を買い、総合株価指数はいつの間にか過去最高値の更新を目の前にしている。これまで成長率予測値を下方修正するのが習慣だった韓国銀行(韓銀)までが先月、小幅ながら上方修正した。

次期大統領のためのプレゼントには「ボーナスクーポン」も付いている。今年も税収が増え、1-2月は前年同期比で3兆ウォン(約3000億円)以上も多かった。次期大統領としては厳しい時に使える非常用の資金をある程度確保したということだ。少し無理して任期初年度に補正予算を編成する場合、「3%台の回復」というスタートも期待できる。


幸い、官僚も宿題を終えた。資金難に追われていた大宇造船海洋の問題を整理したのが代表的な例だ。青瓦台という最上位調整者が不在だったため結論を出す過程は以前のように順調でなかった。しかし政治的な影響が減った状況で各利害当事者が十分に議論しながらお互いの立場を調整する経験を得ることができた。

柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相が1日、現政権で主宰した事実上最後の幹部会議で「内需振興のために公職者も連休に国内を旅行してほしい」と注文したのも安堵感から出たものだろう。このように大統領がいない状態でも経済が大きな問題なく稼働した事実が与えるメッセージは何か。ある経済部処の官僚は「世界経済が回復に向かったうえ、韓国経済を後押しするシステムも予想以上にうまく作動したため」と答えた。しかし「経済大統領」を標ぼうして各懸案にいちいち干渉してきた大統領の立場としてはつらく感じる点もありそうだ。少なくとも短期的な経済運用の成果は大統領とさほど関係がないということが実証されたからだ。

「大統領無用論」を話そうということではない。153日間の経験は逆説的に新大統領が何に集中するべきかをはっきりと見せている。あまり目立っていないが、昨年12月から停滞または退歩していることが間違いなくある。公共・労働改革、社会統合を通じた信頼資本の構築、地政学的リスクの緩和、少子化の克服などがそれだ。すべて韓国経済の基礎体力に関係があるものだが、政治的なリーダーシップと推進力が必要な長期課題であるため官僚だけでは難しい。

今回の大統領選挙でも各候補はそれほど重要でない短期目標値付きの経済公約を先を競って出している。当選すればそのようなことは果敢に専門官僚に任せ、「大統領の課題」に集中することを望む。前任者が凄絶な失敗で立証したように残り5年はそれほど長くない。

チョ・ミングン/JTBC経済産業部次長



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