消防隊員が1日午後、巨済市サムスン重工業タワークレーン転倒事故現場で救助作業をしている。この事故で6人が死亡した。(写真=慶南消防本部)
この日午後2時50分ごろ巨済市長坪洞(チャンピョンドン)サムスン重工業巨済造船所第7岸壁で、高さ60メートル、重さ32トンのタワークレーンが、建造中の高さ約20メートルの海洋プラントの最上部にあった休憩所に倒れた。この事故でトイレや喫煙エリアがある休憩所にいたコ・ヒョンギさん(45)ら作業員6人が死亡した。負傷したチェさん(49)ら作業員25人は付近の病院4カ所に運ばれて治療を受けている。重傷者は5人で、死者が増える可能性もある。事故で死亡したパク・ソンウさん(44)の兄(46)は負傷した。パクさんの母は遺体が安置されている巨済白病院の葬儀場に入ると、「誰が私の息子を殺したのか」と言いながら号泣した。死傷者はすべて10余の協力会社の正規職と非正規職の作業員と把握された。
巨済白病院に入院中の協力会社U社のイさん(30)は「作業中に突然何かが背中に当たって前に倒れ、腕と顔を負傷した」と話した。別の負傷者のキムさん(48)は「タワークレーンが大きな物体を移している途中に前に倒れ、落下物のほかクレーンの鉄線が波打ち、人々を襲った」と事故の場面を振り返った。
負傷者によると、通常、午前10時と午後3時が休憩時間であり、トイレや喫煙エリアがある事故現場の休憩所には100人以上の協力会社の作業員が集まる。巨済消防署の関係者は「落下物とクレーンによって被害を受けた人たちはほとんど死亡し、鉄線などに当たった人は負傷したようだ」と伝えた。巨済警察と消防署側は「目撃者はタワークレーンが移動しながら近隣の船舶建造場の800トン級クレーンと衝突した後、建造中の海洋プラントに倒れた話しているが、正確な事故原因は調査するまで分からない」と述べた。
この日、事故現場にはあちこちに血痕が見られた。タワークレーンは大きく曲がって海洋プラント構造物に倒れていた。サムスン重工業側は造船所が「セキュリティー施設」という理由で取材陣の出入りを認めなかった。
サムスン重工業側は「巨済造船所第7岸壁で800トンの大型クレーンが南側から北側に移動していた32トン級のタワークレーンと衝突した。その後、タワークレーンを支える台が落下し、海洋プラントモジュールを製作する作業場で勤務中だった作業者が被害を受けた」と伝えた。また「海洋プラント作業場など一部の作業場では工期に間に合わせるために労働者1万5000人ほどが作業をした」と説明した。この海洋プラントは2012年12月に仏トタルから約5億ドル(約560億円)で受注し、今年6月に引き渡す予定だ。
警察は捜査本部を設置し、現場鑑識を行う一方、タワークレーン運転者の身柄を確保して事故の原因を調べている。
死者=コ・ヒョンギさん(45)、パク・ギュベクさん(年齢未詳)、パク・ソンウさん(44)、パク・ミンホさん(26)、ボク・チャンギュさん(37)、ソ・ヨンゴンさん(54)。
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