最近の増加傾向は昨年上半期に輸出が急減したのに伴う反動という批判からも自由になった。産業通商資源部のチェ・ヒボン貿易投資室長は「急反騰した船舶を除いた分野の輸出増加率も２桁の１６．８％。昨年の輸出減少分を上回る増加率を３カ月連続で記録した」と話す。

西江（ソガン）大学経済学部のキム・ヨンイク教授は「輸出が増えたことで企業が投資を増やし始めた。輸出が景気回復の焚き付けの役割をしている」と話した。統計庁の「３月の産業活動動向」によると２月にマイナス８．５％だった国内設備投資増加率が３月には１２．９％に反騰した。

問題はこの焚き付けが消費というもうひとつのエンジンを点火させられずにいる点だ。３月の消費（小売り販売）は０．０１％の増加にとどまった。韓国開発研究院（ＫＤＩ）マクロ金融経済研究部のキム・ソンテ部長は「今後所得が増えない限り大幅な消費増加傾向は期待しにくい」と話した。


輸出上昇の勢いに酔っていてはならないという警戒の声も出ている。対外悪材が出てくれば輸出の勢いはすぐに折れるという理由からだ。まず米国の動きが尋常でない。トランプ大統領は先月２９日に韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）をはじめ米国が結んだすべての貿易協定を全面再検討する内容の大統領令に署名した。現代経済研究院のホン・ジュンピョ研究委員は「トランプ大統領はシェールガス増産も明らかにしている。これにより下半期に国際原油価格が急落すれば韓国の輸出には悪材だ」と話した。中国の景気も楽観的ではない。キム・ヨンイク教授は「中国が下半期以降に産業構造調整に乗り出せば生産・投資が低迷しかねない」と話した。

韓国政府もこうした状況を認識している。チェ・ヒボン室長は「通商環境変化の可能性に備えている。米中に偏った輸出構造を変えるため新市場開拓に努めるだろう」とした。

ホン・ジュンピョ研究委員は「輸出が単独で景気を牽引するのは限界がある。新政権は雇用と家計負債対策をまとめ、所得増加から消費拡大を誘導しなければならない」と話した。キム・ソンテ部長は「追加補正予算のような単発の浮揚策ではなく、構造改革を通じて非効率を除去してこそ潜在成長率を引き上げることができる」とした。



船舶・半導体・鉄鋼…韓国輸出主力業種の華麗な帰還（１）