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【コラム】大統領の支持者は思ったより多くない=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)前大統領は2012年、大統領選で51.6%の得票率で当選した。1987年、直選制改憲以降、初めて過半数を超えた得票だった。だが、これは全体有権者の51.6%が朴前大統領を支持したという意味ではない。得票率は投票者数に比べた得票数の割合だ。棄権者は得票率の計算に反映されない。しかし、考えてみれば、棄権も厳然な政治的意思表示だ。気に入る候補がいないから投票所に行かないわけだ。このような面で単なる得票率よりは「全体の有権者(投票者+棄権者)基準の得票率」が政治的にもっと重要だと考える。全体の有権者のうちに大統領支持者の割合がどれぐらいになるかは明らかであるためだ。

2012年、大統領選当時、全体有権者4050万7842人の中で朴前大統領を選んだ人は1577万3128人で、全体の38.9%だった。有権者10人のうち朴前大統領に票を投げた人は4人に及ばないということだ。その上に38.9%は87年改憲以降最も高い数値だ。87年、大統領選以降歴代大統領の全体有権者を基準に得票率を計算してみれば、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領32.0%、金泳三(キム・ヨンサム)元大統領33.9%、金大中(キム・デジュン)元大統領32.0%、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領34.3%、李明博(イ・ミョンバク)元大統領30.5%となる。朴前大統領を除けば全員の30%前半水準だ。特に、最も圧倒的な勝利を収めた李明博元大統領が全体の有権者を基準にした得票率が最も低いということは非常にアイロニーだ。このような弱点もあったため、李明博政府が発足するやいないや「BSE(牛海綿状脳症)デモ」一発で沈没する寸前までいっていたのかもしれない。

ところで、面白いのは60年代まで範囲を広げてもそれほど状況が変わらないということだ。中央選挙管理委員会のホームページで過去の得票記録を探して計算してみたところ、63年大統領選で朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の全体有権者を基準とした得票率は36.2%に過ぎなかった。67年と71年、大統領選当時は同様に40.8%だった。今とは比べられないほど政府与党の権力が大きかった朴正熙政権の時も大統領選で大統領を選んだ有権者は10人のうち4人に過ぎなかった。このような現実に不安を覚えたのか、朴正熙元大統領は結局72年の維新を宣言して大統領選をなくしてしまった。


このように全体の有権者を基準にした得票率の観点から選挙結果を見ると、大統領権力の基盤が弱いという実体が明るみに出る。大統領はいつも支持者よりはるかに多くの潜在的反対者(他の候補支持者+棄権者)に囲まれているからだ。来月9日、大統領選でも誰が当選するかは分からないが、事情が変わりそうではない。むしろ多者構図が最後まで複雑に展開すれば、次期大統領の全体有権者基準の得票率が初めて20%台に落ちる可能性もある。有権者10人のうち3人の支持も受けていない大統領が当選する可能性もあるということだ。結局、次期政権は歴代どの政権より包容路線が必要な状況だ。大統領を選ばなかった有権者まで抱けなければ、政権の未来が険しくなる。いつもそのように大統領の支持者は思ったより多くない。

キム・ジョンハ/政治部次長



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