国民のみんなが心を痛めていた３年の歳月だった。昨日、京畿道安山（キョンギド・アンサン）・全南彭木（チョンナム・ペンモク）港・木浦（モクポ）新港、仁川（インチョン）など全国の所々には黄色い波が起きた。２０１４年４月１６日に沈没したセウォル号の３周忌を迎え、市民は焼香所を訪れその日の悔恨と教訓を再確認した。号泣する犠牲者家族を心より慰める姿は感動的だった。

あと残された課題は明らかだ。セウォル号をめぐるすべての疑惑・不信・葛藤を解消して和合の道へ進め「安全な大韓民国」を作ることだ。その第一歩が安全な船体調査と９人の行方不明者の捜索だ。沈没して１０９１日が過ぎた１１日、木浦新港に陸揚げされたセウォル号は錆がつき、客室が崩れた惨憺たる状態だ。海洋水産部は１８日、内部捜索計画を発表して１９日から本格的に捜索に出る予定だ。８人の専門家で構成されたセウォル号船体調査委員会が現場を直接確認して調査を行う。

それだけに、船体調査委の役割が重大だ。検察と裁判所が明らかにしたセウォル号沈没の原因は大きく４つだ。操舵の過失による急変針、貨物の過剰積載、過度な増築、平衡数の縮小だ。だが、直接調査が行われず、潜水艦衝突説やミサイル迎撃説のようなとんでもない怪談まで出回っていた。船体調査委が科学的でかつ精密な調査を行い、すべての疑惑をすっきりと解消しなければならない理由だ。行方不明者の収拾と身元確認、遺留品の整理も迅速に誠意を尽くして進めてこそ遺族の心のしこりが解けるだろう。


３０４人の犠牲者が残した課題である「安全大韓民国」のリセットも急がれる。セウォル号惨事以降、海洋事故が７０％も増えたという。口先だけで騒がせ、安全不感症が再発しシステムが空回りしたためではないのか。大統領候補は、国家安全システムを最優先政策として打ち出し、国民の評価を受けるべきだ。特に、セウォル号がこれ以上政争や分裂の対象になってはならない。痛みと傷を治して韓国社会が和合の未来へ進められるよう、政府と政界、犠牲者家族と一般市民が力を合わせることが求められる。それでこそ、３年という歳月の悔恨を晴らしてまともな脱喪ができるだろう。